男子校だなんて聞いてない【歌い手】

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パーカーは遠泳の時だけ脱ごう。

そう決めていた。

どうせ水遊び、なんて下半身だけ濡れると思っていた。

まーしぃが喜ぶだけだと思っていた。

でも扱いはあまり同性と変わらなかった。

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｢……めっちゃ濡れた。｣

｢ごめん、ほんとにお前直視出来ねぇ｣

｢俺が最初に水かけちゃったし、ごめんや、えと、その…｣

｢せんせー、早く遠泳させて死んじゃう｣

｢…｣


さっきから目を泳がせて全く話にならない4人。

たしかにびしょ濡れだし、パーカーからは水着が透けてるとはいえ、特に変わりはないはず。


｢え？何、私の顔がそんなに見てられない？｣

｢……｣

｢え、無視｣


今から遠泳が始まるからー、と言う先生の声が聞こえる。

寮メンバーごとに1キロ泳ぐという地獄絵図だ。

まぁ、たとえ溺れてもすぐにボートが来るし、泳ぐ自信の無い人は、ビート板でも借りれるらしい。

陸上の競技は出来るけど、水中の競技はあまり得意としていない。









………いや、全然得意としてない。




みんな何も持たずにちゃぷ、と海に入っていく。

え、そらる肌白すぎ！！！何して生きてたんだこの人！！！！

まぁそんなことより、溺れそうになったらインストラクターさんが助けてくれるし、何かあったらなんか浮いてる棒？があってそれにしがみついたら助けてくれるらしいし。


｢早く行くでー！｣



さかたんがそう言うから私はパーカーを脱ぎ捨てて砂浜を駆け出した。

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