男子校だなんて聞いてない【歌い手】

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｢海は危険がいっぱいです。倒し合いや生き物を殺したりするのはやめましょう｣



そんな先生の指示が入っても、みんなは聞く気もないようだ。

先生が呆れたまま手を叩く。

そしたらみんな海にはしゃぎこんで行った。

まぁ30人程度、たかが小学校のクラス分ぐらいなのでどうってことないけど。

私も一応乙女な心持ってんだ。日焼け止めは万全だし、パーカーも着て犯罪防止してる。



｢Aー、泳ごうやー｣



そうセンラくんが手を振りながら言う。

ほかの3人はもう水掛け合ったり沈めあったり。

パーカーのポケットに手を突っ込んだまま、海に近づく。

海に足を入れると、冷たくてきもちい。

しかし、波が戻ってくる時に足が引っ張られる。



｢……っと、｣



よろけた私を片手で受け止めてくれたセンラくん。



｢大丈夫？｣

｢…うぇ、はい｣

｢なんで敬語で話すねん｣



そう言って笑うから。

つい私もつられてふわりと笑った。

そしたらセンラくんの緩んでいた顔が真っ赤に染まっていく。



｢……っ、そういう顔な？他の奴らの前でしたらアカンで？｣

｢え、どゆこと私の顔そんなに歪んでる？？？｣

｢いや、っなんでもないで！入ろや〜 ｣

｢ひえっ！｣



そう言ってポケットに大きな手を突っ込んでくる。

そのまま手首をポケットの中で掴まれてポケットから出される。

キラキラ輝く海に連れていかれた。

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