ドッキリ系歌い手、今日も頑張ります 【歌い手】

＊記憶喪失ドッキリ＊ ページ1

｢……ん、んぁ…｣


あ、寝てたみたい。昨日新年会開いて、そこからなにか面白いドッキリ仕掛けてみんなの反応が最高に面白くて、そこからどうしたんやっけ…。

ムクリと起き上がると同時に上から突然手が降ってきた。反射神経もまだ寝起きで直ぐには動けずその手は私の口元を押さえ込んだ。咄嗟にその手を掴んだけど無意味で。


｢っ？！｣

｢………おはよ、A｣


溶けるような優しい笑顔で手荒い口の塞ぎ方…うらたさんだった。なに、なにすんや。いつもなら、そんな事せぇへんのに


｢……？｣

｢いつもと違う、とか思った？｣

｢…！｣


こくこくと頷くとニンマリと笑う。いやマジなんですか怖すぎ。


｢Aが女の子だって、全然気付かなかったし、周りみんな男と思って接してるから俺もそう接してた｣

｢…ん、｣

｢…本当は何が目的なの？｣


………。

いや、お前らが男やって思い込んでるだけやろが！！！！！！

別に男に媚び売りたい訳やないし、ドッキリしてるだけだし！つかなんだお前突然敵に回しやがってうぉぉおい！！！

仕方ねぇ今から作戦立てます！！記憶喪失ドッキリいくぞぉい！！


｢…っ、ん、…んー！｣

｢おっと、…ずっと抑えっぱなしだった、わり｣

｢…まず聞いていいですか｣

｢…？｣

｢…だ、誰なんですか…｣


布団で身体を隠してなるべく彼から離れる。すると小さく｢…は？｣と声を漏らす。頭の後ろをかいて彼は答える。


｢……まだ酔ってんのかコイツ｣

｢っ、だ、誰ですか、やめてください、警察呼びますよ？！｣


そのまま部屋を出ていってしまった。反応も面白くなくなってる…女の子ってバラすの良くなかったのかなぁ…。

と思ったら部屋の外から震えた大きな声が聞こえてくる。うらたさんだった。


｢なぁ！！A、Aが…昨日の記憶全然無いみたいなんだけどぉ？！｣

｢…ブフォッ｣


思わず吹き出してしまった。なんだなんだ、強がりなのかそうなのか。クスクスと笑っていると扉がまた開く。

次はまーしぃとさかたんだった。

＊続→

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