山田家長女の私。【ヒプノシスマイク】

45話 ページ47

Aside


汚い…汚い汚い汚い。


『はぁっ、はぁ…っ』


頭からシャワーの水を浴びながら


何度も何度も何度も何度も体を擦り続ける。


皮膚が破れて血が滲む。


すごく痛い…けど、この痛みが、少しずつ私を綺麗にしてくれてるんだって…


安心できた。





『…ｶﾊｯ、はぁっ…』


なんで…何で私は声が出せないの…？


辛い…嫌だ…



「白くてきれいな肌だね…これを汚すって…すっごいぞくぞくするぅ…♡」



『…ぇ、おぇぇぇ…っ』


最近はほとんど何も食べてない。

だからお腹には溜まっていないはずなのに…吐き気が収まらない。


あはは…私、また汚した…


ごめんなさい…ごめんなさい…


『っ、ぁ…ぁ…っ』


触れた場所から黒い靄が広がっていく。


私を中心にすべてが黒くなっていく。


汚い、汚い…


『ﾋｭｯ、ぁ…』


ごめんなさい、ごめんなさい…


こんなに汚くてごめんなさい…


大切なものを汚して…


ごめんなさい…






・






・







・







・








白いものが嫌い。


綺麗なものが嫌い。


汚い自分が大嫌い…


自分が触れると、全て汚くなってしまうから…。



いつも私の部屋に来る楓には、本当に申し訳ないと思ってる。


知ってるよ、私に分からないように泣いてるの。


でもね、私が触れたものはすべて汚くなってしまうの。


だから会えない。



私、知ってるよ。左馬刻も、ラムダも…水無瀬さんも…


私の大切な人たちがこの家に来てくれてること。


窓の外に見えるから。


皆帰り際にこの部屋を見上げていくの。


左馬刻なんて一兄の事死ぬほど嫌いなのにね…。



コンコンッ


楓「A…」



『…っ、』


また、来てくれたんだね…楓。


でも、ゴメン。今日も会えないや。


綺麗な心を汚してしまいそうで怖いの…


自分から離れていくのに…


心がいたくて、ガラスの破片が刺さってるみたいで…





涙が止まらない。

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