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2「わんわん!」

タタッと寄ってくる誠凛さんの犬。

緑「…やはり、お前か。」
貴「2号!おいでー!」

私のところに来た2号。私は2号を持ち上げた。

貴「かーわいい!」

赤「なぜこんなところに犬が?真太郎とAはこの子を知っているのかい?」
緑「ああ。…誠凛の犬なのだよ。」
貴「もふもふ〜。」

本当に目が黒子くんにそっくり。

赤「なるほど、テツヤたちが飼っている犬なのか。」
貴「うん、2号だよ。てか、2号また抜け出してきたの?ダメじゃん。」

でも可愛い……。

赤「はじめましてだね、2号。」

私が2号を持ち上げているので、赤司くんはこっちに来て2号に挨拶をする。
それに2号は「わんっ!」と返事をした。

赤「…ちゃんと返事が出来るのか。イイコだ。ほら、おいで。」
2「わん!」

椅子に座りなおした赤司くんの方に2号は付いていく。

貴「あっ!赤司くんのほうに2号行っちゃった……。」

もうちょっと2号と戯れたかったのに……。

赤「膝に乗せても嫌がらないな…よしよし。」
2「わん!」
赤「ずいぶん人馴れしているね。」

そして2号はじぃっ…と将棋盤を見つめる。

赤「おや、将棋に興味があるのかい?」
2「わん!」
緑「……犬に将棋がわかるわけないのだよ。」

貴「えー、でも2号頭良さそうじゃん。」
赤「そうかな。」

とまあ私達2人は同じような反応をする。

緑「…きっと、エサのことでも考えているのだよ。
 この間、ラッキーアイテムのビーフジャーキーも狙われたからな。」
赤「へえ……そんなことが。」
貴「え、あの時2号に会ったの!?いいなー私も付いていけばよかった。」
緑「Aは練習メニューを少し作り変えると言っていただろう。」

それは…そうなんだけどさー。

赤「それで、真太郎はどうしたんだい?」
緑「あまりにも鳴くからな、1本だけやったのだよ。」
赤「へえ……。」

そしてまた将棋盤を見つめる2号。

緑「……?何を見ている。」
2「わんっ!!」

2号はバチッ!と駒を動かす。

緑「なっ…!?盤面を乱して、何てことをするのだよ…ッ!」

貴「いや、これは…。」
赤「ほう、…よく見ろ、真太郎。なかなか面白い一手だ。」
緑「む…?犬がただ動かしただけではないか。」
赤「そうかな…?」
緑「……なっ、これは……。」

と焦りを見せる真太郎。

2「わんっ!」
貴「すごいすごい、2号!」

私は2号の頭を撫でた。

8−3→←8−1 なかなか面白い一手だ



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作者名:甘味処〜奏多〜 | 作成日時:2017年3月5日 10時

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