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『通り魔の人、捕まったんですか』

刑事「捕まってない、バイクのブレーキ跡、靴、
そして君が残してくれたナイフも、世の中でよく使われているもので、特定するのは難しかった。」

『…目元だけなら、見ました。』

刑事2「な、!」

『…優しそうな目をしてました。
それなのに、刺されました。』

刑事「今すぐ似顔絵捜査官を呼べ!」

刑事2「は、はい!」

先生「病院内は走るな!!」

テレビから流れるのは、妊婦の人があの場にいたという異様な光景について話していた。

『……刑事さん、』

刑事「なんだ」

『…妊婦の人、旦那さんに料理作れって言われて買い出しに行ったんですって。』

刑事「聞いたな、妊婦の人に」

『…ニュースの人たちは知らないんですか』

刑事「なにもかも、伝えるってわけではないからな」

『…そうなんですか。
自分、久しぶりにテレビを見ました。』

先生「家にないのかい」

『はい、自分…貧ぼ……、あ。』

刑事「なんだ、何かまた気づいたことでも!?」

『病院代って、もしかして…自分が払うんですか…?』

刑事「まあ…3割」

『か、帰ります!!』

先生「今更遅いよ、今日も入院だから、ざっと合計で4万とかかかるよ。治療費込みでね」

『よ、4万…』

「それ、私たちが払います」

扉を開け、中に入ってきたのは車椅子に乗ったあの時の女性だった。

車椅子を押しているのは、旦那…だがよく知った顔だった。

その人は、上司だった。


『ぁ…、』

震え出した両手と肩を先生は撫でてくれた。

「…私の旦那があなたに酷いことをしてきたみたいで、
全て聞きました。今までの休日出勤、残業、慰謝料、全てこの人に払わせます。しっかりと弁護士を通して、金額をあらわにして後日謝罪に伺わせていただきます。」

そう言って頭を下げた奥さんと上司。
その異様な光景を目の当たりにし、固まっていると医師は、よかったね。と言ってくれた。

先生「奥さんがしっかりとしてる方で良かったね。」

「…私も、ここにきてからやっぱり考えが変わった。
夜中の買い物をさせられてあなたに手伝わせてしまった。
そして通り魔に襲われてしまった。訴えられても仕方のないことです。本当に、ごめんなさい」

『…訴えたりなんかしませんよ。
自分、昔からこういう体質で。
体中あちこちに傷跡が残ってて。一つぐらい増えても構いません。
あなたとお腹の子供が無事でよかったです』

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作者名: | 作成日時:2022年10月19日 23時

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