176話 ページ27
アズールside
『…やさしいひとは、こわい』
震える声でそう絞り出した。
優しい人が怖い、？
どういうことかと聞けば、黙り込んでしまう。
アズ｢どうして優しい人が怖いんです？
優しかった人に裏切られたから？優しいと思ってた人から酷い事でもされたんですか？｣
問い掛けてもただ首を横に振るだけで答えようとしない。
アズ｢…僕も、怖いですか？｣
恐る恐るそう聞けば、気まづそうに頷くAさん。
どうして。
優しく接しているつもりだったのに、何か怖い思いをさせてしまっただろうか。
アズ｢…どこが怖いか、教えてくれませんか？
僕は、仲良くなれたと思ってたのに怖がられてるなんて、寂しいです。｣
大人気ないやり方だろうが、Aさんの優しい心を利用して聞き出す。
しょうがない。だって僕にはこういう方法しか思いつかないんだ。
僕の思惑通り、優しいAさんは少しずつ話し始める。
『…だって、やさしいひとは、わたしのせいでころされちゃうから。』
だから、関わるのが怖い。そう言った。
過去を聞いた時にでてきた話だろう。
幼馴染のお父さんの死を自分のせいにされたと。
確か4歳の頃だと言っていたから丁度今くらいか。
アズ｢そんな、。Aさんのせいなんかじゃありませんよ。｣
そう否定しても頑なに首を振る。
『ちがう、ちがうよ。Aのせい。Aがいっしょににげたいっておもったから。きぼうを、もっちゃったから。だから、ときねちゃんからおとうさんをうばっちゃった。』
自分のせいだと何度も言う姿は切なく、子供にこんなことを言わせるような人間がいるのかと怒りが込上げる。
アズ｢…Aさんに酷いことをする人達が殺しにくるんですか？｣
そう聞けば、瞳を潤ませて頷く。
…あぁ、見知らぬ人間にこれ程の殺意を持ったのは初めてだ。
アズ｢Aさんは、僕と一緒にいたくないですか？｣
『いたい、…いたいけど、でもそしたらめがねのにんぎょさんがｯ』
眼鏡の人魚さん、なんて可愛らしい呼び方だろう。
アズ｢…僕達、魔法が使えるんです。｣
『まほう、？』
アズ｢そう。だから、そんな怖い人達が僕達を殺しに来ても、すっごく強いから殺されないんです。｣
だから一緒にいても大丈夫なんですよ、と伝える。
『で、でも…』
まだ煮え切らないのか、迷いを見せるAさんの前でペンを構える。
アズ｢Aさんは何色の花が好きですか？｣
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のと(プロフ) - +ちっくさん» どクソ重シリアスが好物なので泣いてくださって嬉しいですヽ(｡･ω･｡)ﾉ私もこのまで読んでくださった+ちっくさんが大好きです！！ (2021年5月12日 22時) (
レス) id: 2cc152cab9 (このIDを非表示/違反報告)
+ちっく(プロフ) - 泣かせんなよおおお！！。゜(´∩ω∩｀)゜。結界師とか懐かしいって思って読んでたのになんだよこれぇぇえうわあああ！好きだあああ！ (2021年5月12日 18時) (レス) id: 0cbf2f128f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のと | 作成日時：2021年1月15日 16時
