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◆ No one matters but you 9 ◆ ページ27

※暴力表現注意
___________

セリーを待つだるまは車に備え付けた無線に呼び掛ける。
絶え間なく湧き出る怒りをどうにか抑えるので必死で、今にも理性が吹っ飛んでしまいそうだ。


「…葛葉」
『ボス、もう準備出来てるよ。イブにちょっとだけ治させて薬も注入して今、正常に戻してる』
「そいつ、どっかのギャング?」
『今、全裸にさせたけど…あ、あった。ここら辺じゃ聞いた事ないギャングのタトゥーが太腿に刻まれてる。そっちはなんか聞けた?』
「ただ金をせがまれたって言ってた。…イブラヒム、そいつにAを見つけ出せる知能残ってるか?」
『いや、無いと思うよ。こいつ、正常に戻ってもさっきから言ってることが支離滅裂過ぎる。これじゃ日常生活は出来ないと思う』


イブラヒムの言葉を最後に無線を切り思考を巡らせ、今日得た情報達を繋ぎ合わせる。


やはり、Aが偶然、襲われたとは思えない。

襲われた場所は恐らくマンションのエントランスであり、Aが襲われた時にはたまたま人が居なかっただけで人目はある。
普通なら人目がある場所で襲ったりしないがあの男は知能が低下していた為、あそこで襲ったのだろう。


イブラヒムの診断が正しいなら…あの男にAの家を教えた奴がいるはずだ。


助手席の扉が開き、乗り込むセリー。
シートベルトをきちんと差し込むのを確認するとアクセルを踏みしめ、葛葉から送られたマップを頼りに発進する。


「…セリー」
「ん」
「Aの具合はどう?」
「頬と腹に打撲。口の中、切って血出た。後は擦り傷」
「…お返しせんとなぁ」


静かな怒りを帯びた声音。
法定速度を軽く超えるスピードを出して、目的地まで車を走らせた。



「もぉ……やめて……ください……す"み"ま"ぜん……!!」
「どぉ?やってる?」


潮風と錆の臭いが交わる廃れたコンテナ倉庫。
付近に車を止め、いつもの黒手袋を嵌めながら中へ踏み入れると血塗れの男を囲む赤スーツの集団が目に入った。
原型が無いほどに顔面が膨れ上がり、数々の拷 問の後が惨たらしく男に刻まれている。

ゆったりと足取りで手足が縛られた男に近寄り、髪を掴みあげる。腕力だけで持ち上げると、腹に蹴りを入れた。
ゴキッと痛々しい音が響き、内蔵が潰れる音が鼓膜に触れる。
周りからひゅぅと口笛が鳴り、綺麗に入った蹴りに対して賞賛をしたいらしい。


「お前、誰の差し金だ?」

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うぱ(プロフ) - 設定とか言葉遣いとかとにかく全部が好きで一気見しちゃいました。特に不穏でこわこわなボスが大好き過ぎて何度もそこを読み返してます。臨場感が凄くて読んでいる時凄くドキドキしました。これからもこりんさんの作品を楽しみにしております。 (12月20日 23時) (レス) @page14 id: ea61eec359 (このIDを非表示/違反報告)
こりん(プロフ) - ガガさん» コメントありがとうございます。そのように仰って頂けてとても嬉しいです!ありがとうございます!こちらこそ、作品を読んで頂き誠にありがとうございます。更新頑張って参ります! (11月10日 19時) (レス) id: 56f635f916 (このIDを非表示/違反報告)
ガガ - とっっても面白いですわくわくして読んでます、続きが本当に楽しみです!!更新を楽しみにお仕事頑張れそうです、素敵なお話ありがとうございます🙏 (11月6日 13時) (レス) @page30 id: cfa21872f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こりん | 作成日時:2023年10月29日 17時

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