◇ You're the only one I love in this world ◇ ページ1
壁ドン。女の子なら誰もが望むシチュエーション。
少女漫画では必ずと言っていい程、出てくる構図で私も好きな人に壁ドンされたら、心臓が落っこちてしまうのでは無いとか危惧してしまう程に私は好きである。
「A」
芯のある声で名前を呼ばれ、目が合った瞬間に彼が落とす影に呑み込まれた。
逃げられないように伸ばされた両手はGODと言うスプレーの落書きがされたコンクリートの壁に触れる。
背に当たる壁に逃げ場を見い出せず、腕の中に閉じ込められた私はどうする事もできない。ただ持っていた鞄を彼との間に置いて少しでも、距離を離そうと試みる。
だが、私より一回り大きな身体が肉薄し急激に距離が詰まった。
「俺のモンになれ」
恥を捨てたド直球な言葉。
意味は考えなくても分かるし、何を伝えたいのかも分かるし、自惚れ関係無しに私に対する告白の言葉だと分かってしまう。
空に浮かぶ満月と同質の輝きを放つ黄金色の瞳は揺らぐ事無い。それ程の決意と想いを乗せた言葉は鼓膜を震わせた。
「返事は？」
数秒の沈黙。
遠くから聞こえるサイレンの音が心臓の音が重なり合って、同調し合い、ばくばくと心拍を上げていく。
答えなきゃ。
この、告白の答えを。
「言い方がどうかと思います」
冷静に考えてないでしょ。少なくとも私は無し。
少女漫画なら大いにありだが現実では別の話である。
なんだその言い方となってしまうのは私の性格が悪いから。
既に彼の吐息が唇に降り掛かる距離だったのにも関わらず、寸前でぴたりと止まった。
突き放すような冷たい声音、冷めた視線を送りながら彼:だるまさんを見つめ返せば、分かりやすく動揺して静かに距離を取ると、腰を直角に曲げて手を此方に突き出す。
「俺の女になってくださいッ！！」
先程よりかマイルドな告白が彼の口から大音量で流された。
この人に恥じらいは本当に無いらしい。
指摘された部分をすぐさま直し、尚且つ告白に一貫性を持ってブレてない点では良いのだが。
「丁重にお断りさせていただきます」
「えっ、なんでぇ！何がアカンの！」
先程の静を表した様な雰囲気は何処へいったのやら。
一気に楽の文字が似合う雰囲気に様変わりしだるまさんは子供のようにぎゃあぎゃあ騒ぎ始めた。
「ここら辺のギャングのボスじゃないですか。というか…なんで毎日告白を？」
本日でめでたく連続告白1週間目に到達。
何故か私は、GOD FAMILYと呼ばれるギャングのボスに毎日告白されているのである。
◇ You're the only one I love in this world 2◇→
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うぱ(プロフ) - 設定とか言葉遣いとかとにかく全部が好きで一気見しちゃいました。特に不穏でこわこわなボスが大好き過ぎて何度もそこを読み返してます。臨場感が凄くて読んでいる時凄くドキドキしました。これからもこりんさんの作品を楽しみにしております。 (12月20日 23時) (
レス) @page14 id: ea61eec359 (このIDを非表示/違反報告)
こりん(プロフ) - ガガさん» コメントありがとうございます。そのように仰って頂けてとても嬉しいです！ありがとうございます！こちらこそ、作品を読んで頂き誠にありがとうございます。更新頑張って参ります！ (11月10日 19時) (レス) id: 56f635f916 (このIDを非表示/違反報告)
ガガ - とっっても面白いですわくわくして読んでます、続きが本当に楽しみです！！更新を楽しみにお仕事頑張れそうです、素敵なお話ありがとうございます🙏 (11月6日 13時) (レス) @page30 id: cfa21872f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2023年10月29日 17時
