8話 ページ8
貴女side
普段城の外に出ないだけにこういう機会はとても貴重だ。
だから外に出た時は必ず新書を確認する事にしている。
「セブルスを言いくるめたし、貴重な機会だから行きたいけど…これはキツいな。」
書店は驚いたことに黒山の人集りで、表で押し合い圧し合いしながら中に入ろうとしていた。
上階の窓に掛かった大きな横断幕には”サイン会 ギルデロイ・ロックハート”とデカデカと書かれている。
人垣を押し分けて中に入り、奥の棚まで進む。
一息ついたところで黄色い声が上がる。
ギルデロイ・ロックハートが来たのだろう。
「私には全く関係ないけどね。
…あった!これこれ!ずっと探してたんだよね。」
新聞で読んで気になっていた魔法薬学の新書。
今まで見つかった薬品の事細かな歴史、作り方、完成までの道のりが載っている。
これ程までに詳しく書かれたものは滅多にないので是非とも手に入れたかったものだ。
お会計をしようと思いレジに向かうと勿忘草色のローブを着た男が座っていた。
「気持ち悪い位にいい笑顔ね。
日刊予言者新聞も来てるし…。」
「もしや、ハリー・ポッターでは?」
「うっわー。ご愁傷様、ハリー。」
それが聞こえた様でギルデロイ・ロックハートが辺りを見回した。
まずレジを見て−それから私を見た。
社交辞令だ、と笑いかけてやったら叫んだ。
「こんにちは、美しい人!
ハリーとお知り合いと見受けるが、写真をどうぞ!」
ロックハートが私の腕を掴み、正面に引き出した。
ハリーと握手した写真を撮ったあと、3人で写真を撮らされた。
やっと解放されたと思ったらロックハートはハリーと私の肩に腕を回してがっちりと自分の側に締め付けた。
「皆さん、なんと記念すべき瞬間でしょう!
私がここ暫く伏せていたことを発表するのにこれ程相応しい瞬間はまたとありますまい!
皆さん、ここに、大いなる喜びと誇りを持って発表致します。
この9月から、私はホグワーツ魔法魔術学校にて、”闇の魔術に対する防衛術”の担当教授職をお引き受けする事になりました!」
「勘弁してよ…」
「大丈夫ですか、A先生?」
あぁ、心優しきハリーよ。
君の気遣いはとっても嬉しいのだがここでそれを言ってもらうと…
「先生!?今、先生と聞こえましたが!」
私のゲームオーバーは今、確定した。
232人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜彩(プロフ) - 皆様、大変長らくお待たせいたしました!更新再開です!長い間待って頂いてありがとうございます。これからも創作に励んでいきますので、どうぞこれからも宜しくお願い致します。 (2018年11月4日 22時) (レス) id: 3659269758 (このIDを非表示/違反報告)
夜彩(プロフ) - お久しぶりです、作者の夜彩です。実は今、編集するページが開けなくなっています。なので次の更新まで少々時間がかかると思いますので何卒宜しくお願い致します。 (2018年10月8日 20時) (レス) id: 3659269758 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夜彩 | 作成日時:2018年9月8日 22時