33話 ページ33
ハリーside
バレンタインの夜、リドルの日記を調べる為に同室の誰よりも早くベッドに入った。
昼間のマルフォイとの争いでインクがぶちまけられた鞄の中に日記が入っていたにも関わらず日記はそのままだった。
ベッドに座り、ページをめくってみてもそれは変わらなかった。
ベッド脇の物入れから新しいインク壺を取り出し、羽根ペンを浸し、日記の最初のページにポツンと落としてみた。
インクは紙の上で一瞬明るく光ったが、まるでページに吸い込まれる様に消えてしまった。
胸をドキドキさせ、羽根ペンをもう一度つけて書いてみた。
「僕はハリー・ポッターです。」
「こんにちは、ハリー・ポッター。僕はトム・リドルです。
君はこの日記をどんな風にして見つけたのですか?」
日記から勝手に文字が染み出してきた事にとても驚いたが、リドルの返事が待ちきれず走り書きした。
「誰かがトイレに流そうとしていました。」
「僕の記憶を、インクよりずっと長持ちする方法で記録しておいたのは幸いでした。
しかして僕はこの日記が読まれたら困る人達がいることを初めから知っていました。」
「どういう意味ですか?」
「この日記には恐ろしい記憶が記されているのです。」
秘密の部屋について尋ねると犯人を捕まえた夜の思い出に連れてってくれると言う。
了解すると日記のページがパラパラと捲られ、6月13日のページに吸い込まれていった。
両足が固い地面に触れたような気がして、震えながら立ち上がった。
僕は校長室にいた。
だがそこにいるのはダンブルドアでは無かった。
暫くするとリドルが入ってきてその人−ディペット校長−と話し始めた。
「夏休みの間、君を学校に置いてあげる事は出来ないんじゃよ。
特別な措置を取ろうと思っておったが、この状況では…」
「襲撃事件の事でしょうか?
なら、もしその何者かが捕まったら…事件が起こらなくなったら…」
「リドル、何か知っているのかね?」
「いいえ、先生。」
リドルの”いいえ”は逆の意味だったのが分かった。
微かに失望の色を浮かべながらディペット先生は椅子に座り込み、リドルは校長室を出た。
動く螺旋階段を降り、廊下のガーゴイル像の脇に出てから玄関ホールまでは誰にも合わなかったが、そこで長いフサフサした鳶色の髪と髭を蓄えた背の高い魔法使いが大理石の階段の上からリドルを呼び止めた。
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夜彩(プロフ) - 皆様、大変長らくお待たせいたしました!更新再開です!長い間待って頂いてありがとうございます。これからも創作に励んでいきますので、どうぞこれからも宜しくお願い致します。 (2018年11月4日 22時) (レス) id: 3659269758 (このIDを非表示/違反報告)
夜彩(プロフ) - お久しぶりです、作者の夜彩です。実は今、編集するページが開けなくなっています。なので次の更新まで少々時間がかかると思いますので何卒宜しくお願い致します。 (2018年10月8日 20時) (レス) id: 3659269758 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜彩 | 作成日時:2018年9月8日 22時