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19話 ページ19

貴女side





10月が校庭や城の中に湿った冷たい空気を撒き散らしながらやって来た。

校医のマダム・ポンフリーは生徒にも先生にも風邪が流行しだして大忙しだった。

彼女特製の”元気爆発薬”はすぐに効いたが数時間は耳から煙を出し続ける事になった。

あの声を聞いてから私は元気が出なかったのでセブルスに無理やりこの薬を飲まされた。

ハロウィンが近づいて来た頃、ばったりとほとんど首なしニックに会った。









「こんにちは、ニック。」


「こんにちは、A!

貴女に是非来て頂きたいパーティがあるのです。」


「それはどんな物なの?」


「実は、今度のハロウィンが私の500回目の絶命日に当たりまして。

それで私は広めの地下牢を1つ使ってパーティを開こうと思っているのです。

国中から知人を集めているので貴女に出席して頂ければどんなに光栄か。

でも、恐らくは学校のパーティの方に行きたいと思われるでしょうね?」


「そんなことないわ!

ハロウィンパーティはカボチャばっかり食べさせられて嫌なの。

それに絶命日パーティだなんて生きている内に招かれた人ってそんなに多くないでしょ?

面白そう!」


「有難い!お待ちしております!」









そんな訳でハロウィンの日、19時になると私は大広間ではなく地下牢へと足を向けた。

パーティへの道筋は真っ黒な細蝋燭が真っ青な炎を上げ、仄暗い幽かな光を投げ掛けていた。

角を曲がるとニックが丁重に迎えてくれた。

信じられない様な光景だった。

地下牢は何百という真珠の様に白く半透明なゴーストで一杯だった。

その殆どがダンスフロアを漂い、ワルツを踊っている。

黒幕で飾られた壇上でオーケストラが30本の鋸でわなわな震える恐ろしい音楽を奏でている。

頭上のシャンデリアはさらに千本の黒い蝋燭で群青色に輝いていた。









「あれ?
3人共、ハロウィンパーティには参加しなくていいの?」

「「「A先生!」」」


「先生こそどうしてここに…」


「ニックに誘われてね。

ハロウィンパーティよりはるかに面白そうだったから。」


「でも食べ物とか…酷いです。」


「そりゃあそうでしょうね。

生きてる人間向けじゃないもの。

あぁ!マートル!久しぶり!」


「こんにちは、A。」


「先生、マートルと仲いいんですか?」


「少しね。」









マートルと分かれ、ピーブスを追い払って一息ついた。

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夜彩(プロフ) - 皆様、大変長らくお待たせいたしました!更新再開です!長い間待って頂いてありがとうございます。これからも創作に励んでいきますので、どうぞこれからも宜しくお願い致します。 (2018年11月4日 22時) (レス) id: 3659269758 (このIDを非表示/違反報告)
夜彩(プロフ) - お久しぶりです、作者の夜彩です。実は今、編集するページが開けなくなっています。なので次の更新まで少々時間がかかると思いますので何卒宜しくお願い致します。 (2018年10月8日 20時) (レス) id: 3659269758 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜彩 | 作成日時:2018年9月8日 22時

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