第13話 ページ13
ハリーside
「ハグリッドが大喜びするじゃろう。ところで、バックビークの安全の為に暫くの間、あれをウィザウィングスと呼ぶことに決めたのじゃ。最も魔法省がかつて死刑宣告をしたあのヒッポグリフだと気づくとは思えんがのう」
「あの先生、A先生はそのことを？」
「知らぬ。ハリー、Aが君にとってどれほど危険な存在か、」
「わかってます。…でも、バックビークを心配していたのは本当だから」
A先生がバックビークの為に僕らと力を合わせて裁判の準備をしたのを覚えている。
クィレルのことも、首飾りのことも、A先生は僕の敵である事の証拠なんだろうけど、なんだかとても、心の底から憎むことなんか出来そうにない。
初めて会った時から安心感を感じるし、言い表せない感情を抱いている。
僕が何をしても受け入れてくれそうな、ともすれば愛情のようなもの。
モヤモヤに蓋をするようにトランクの蓋を無理やり閉じた。
ダンブルドアが現れるかどうか疑っていた為荷造りをしていなかったのだ。
重いトランクを持ち上げ、ヘドウィグの籠を持って一階に戻った。
ダンブルドアは居間で小さく鼻歌を歌い、すっかりくつろいだ様子だったが、その場の雰囲気たるや冷えきったお粥より冷たく固まっていた。
「最後にもう一つ。ハリーはあと一年で成人となる…魔法界では。
わしが十五年前にかけた魔法は、この家をハリーが家庭と呼べるうちはハリーに強力な保護を与えるというものじゃった。この魔法はハリーが十七歳になった時に効き目を失うであろう。
十五年前とは、わしがそなたたちに事情を説明し、ハリーを実の息子同様に世話するよう望むという手紙を添えてハリーを置き去りにした時の事じゃ。
そなたたちはハリーを息子として遇したことはなかった。ハリーはただ無視され、そなたたちの手で度々残酷に扱われていた。
わしは一つだけお願いする。
ハリーが十七歳の誕生日を迎える前に、もう一度ハリーがこの家に戻ることを許して欲しい。そうすれば、その時が来るまでは護りは確かに継続するのじゃ。
さてハリー、出発の時間じゃ」
ダーズリー一家は誰も何も言わなかった。
帽子を脱いで挨拶した後、ダンブルドアはすっと部屋を出た。
僕も急いでダーズリー達に挨拶し、ダンブルドアに続く。
透明マントを出し、荷物を隠れ穴に送る。
「それではハリー、夜の世界に踏み出し、あの気まぐれで蠱惑的な女性を追求するのじゃ。冒険という名の」
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真昼 - 最高でした！！一気読みしてしまいました！サラザールが好きなので、とても嬉しかったです！！ (8月27日 7時) (
レス) @page22 id: cd0b763249 (このIDを非表示/違反報告)
箱 - 素敵な作品ありがとうございます (8月10日 11時) (レス) id: 4edc0c80af (このIDを非表示/違反報告)
夜彩(プロフ) - ありがとうございます！これからもゆっくり更新していくので、どうか最後までお付き合いください！ (2023年3月23日 10時) (レス) id: bd39633a4b (このIDを非表示/違反報告)
イジー - 続編！おめでとうございます！全ての話が面白いです、これからも頑張って下さい！ (2023年3月23日 10時) (レス) @page2 id: c288b38476 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜彩 | 作成日時：2023年3月22日 16時
