藍色の誘拐犯 2【神威】

___41話___ ページ9

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あの日から突然、ほとんど毎日見るようになってしまった悪夢。

寝付けなくなった夜の事を相談してみると、いい考えがあると言われ、昨夜いつもより長く抱かれた。確かに 事後は意識を失うように眠るから、夢を見る余裕もなく深い眠りにつけるだろう。

案の定 ぐっすり眠れて、目覚めも良かった。




神威｢よく眠れたかい？｣

｢あ、はい…とっても｣



目を擦りながら部屋を移動すると、いつもなら仕事で居ない神威さんが 今日は居て、嬉しい。
自然と顔がほころぶ。



神威｢Aが心配だから一日だけ休暇もらったよ｣

｢えっそんな、悪いです…｣

神威｢大丈夫。大した商談もないし、今日は溜め込んだ寝不足分ゆっくり昼寝でもしよう。朝食はAの好きなパン用意したから、顔洗っておいで｣



今のやり取りを誰が聞いたって こう思うだろう。
神威さんは私に甘すぎる。溺愛しすぎてる。

顔を洗って、鏡を見る度思う。こんな無愛想で可愛げのない女のどこがいいんだか…
綺麗だとよく言われるけど、そう言ってくれるのは神威さんだけだし、美的感覚が可笑しいのだろうか。神威さん自身あんなに美形なのに…


今度、私のどこが良いのか聞いてみよう。そう思いながらタオルで顔を拭いていた。












でも その"今度"が来る前に、
私達はさよならする事になったんだけれど。





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