___11話___ ページ11
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「こんなに沢山…」
神威「気に入らないやつは捨てていいよ」
ベッドに広げられた大量の洋服と、床に並んだ靴に驚いた。
全部で一体いくらしたんだろう。体で払えとか言われたらどうしよう。
神威「他に欲しいものがあったら言ってね。宝石でもアクセサリーでも買ってあげるから。とりあえず、今日はこれ着てみてよ」
考える間もなく一着のワンピースと下着の上下セットを渡されて、背中を向けられた。
ここで着替えろって意味だよね…
神威さんの気が変わって振り向かれる前に、急いで服を着替える。生地がとっても心地よくて、きっとどれも高い値段の服なんだ。
「あの、終わりました」
神威「わ、やっぱり良く似合う。可愛いね」
「でもこんな綺麗な服を沢山…とっても高かったんじゃ」
神威「そんなの気にする事ないよ。金なら掃いて捨てるほどあるんだ」
そう言われても気にしてしまう。
こんなに、お姫様みたいに大事にされて、どうしてここまで甘やかすのか分からない。
「私を性慾のはけ口にしたり、売り飛ばしたりしないんですか?誘拐犯なのに」
神威「ははっそんな事しないよ。わざわざ俺が拾って帰るほど、一目で気に入ってるのに」
そんな事よりお腹空いたでしょ?と手を差し出されて、確かに空腹だった事を思い出す。
さっきまでの立腹は何処へやら、素直に手を乗せてしまうと、また昨日みたいに優しくエスコートされて席に着いた。
神威「そうだ、デザートもあるから持ってくるね。
ちょっと待ってて」
それに頷いて、神威さんが部屋を出て行ったあと、静かに立ち上がり 私の足はとある方へ向かって行く。
…さっき偶然視界に入ったペン立て。そこに立ててあるカッターナイフに目が留まる。
分かってるダメな事だって。
だけど私はそれをワンピースのポケットに仕舞って、何事もなかったように席に着き、戻ってきた神威さんに笑いかけた。
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さな(プロフ) - 鈴さん» わわありがとうございます!(;;)誰かの救いになればと台詞を書いているので、そう言って頂けたり、鈴さんの励みになれたのがとても嬉しいです(∩´∀`∩) (2019年12月12日 19時) (レス) id: e49a683dbf (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 24話、神威さんの必死に生きてればこんなことだってあるさ、という言葉に励まされました(´;ω;`)キャラクターの一言一言が優しさと切なさを感じられて大好きです。 (2019年12月11日 23時) (レス) id: cc01498415 (このIDを非表示/違反報告)
すてーき(プロフ) - さなさん» や、優しいかよ (2019年11月4日 21時) (レス) id: 6bb493e780 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - すてーきさん» ありがとうございます。゚(゚^ω^゚)゚。夜はしっかり8時間以上眠ってくださいね…!()更新頑張ります! (2019年11月4日 21時) (レス) id: e49a683dbf (このIDを非表示/違反報告)
すてーき(プロフ) - まじ神作すぎます!更新楽しみで夜しか眠れませう、応援してます! (2019年11月4日 20時) (レス) id: 6bb493e780 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さな | 作成日時:2019年10月6日 7時