検索窓
今日:21 hit、昨日:2 hit、合計:24,325 hit

ヒント ページ16

Side.ショッピ


「お目覚めでしょうか」

目覚めると、目の前には執事のようないでたちをした男性が立っていた。
艶が失われつつあるはず白髪は、貫禄のある彼の雰囲気に相応しく、薄く開かれた瞳は優しさを孕んでいる。

「……ここはどこなんですか」

「それは説明しかねます。…ですが、貴方の思うようなものではないでしょう。例えば…そう、悪夢。」

心を見透かしたような彼の言葉に、ショッピの体に力が入る。それでも、ポーカーフェイスは崩さない。

「突然ですが、早急に貴方に伝えなければならないことが二点あるのです。…話を聞いていただけませんか?」

「…質問は?」

「申し訳ございませんが、お答えする事は出来ません。…私には、時間がないのです」

ショッピは暫く男を見つめた後、小さく息を吐いた。

「……手短にお願いします」

「承知しました」

男はそう言うと、右手の人差し指を立てる。

「まず、一つ目。四時までには必ず脱出して下さい」

脱出……零柁小学校の事だろう。何故四時なのかは分からないが、質問に答えて貰えないのだ。黙って聞いているしかない。
二つ目。と、男は指を二本立てる。

「6-1の教室に入って下さい。きっと貴方達の助けになる筈です。……私に伝えられる事は以上になります」

「……そうですか。最後に一つ聞きたいんですけど、

アンタ、何者なんすか」

「……ただのしがない執事ですよ」

彼がそう呟くと同時に、ショッピが宙に浮く。刹那、空間が崩れ、ショッピの体は奈落へと放り投げられた。

*****

次に目覚めると、目の前に居たのは執事……では無く、ショッピの顔を覗き込むチーノとエーミールだった。

「ショッピ君!」

エーミールに支えられながらゆっくり上半身を起こすと、チーノがショッピに話かける。

「……どうしたんすか。塩酸ぶっかけられたみたいな顔して」

「いやどんな顔やねん。…って、それよりも大丈夫なんか?辛そうな顔してると思ったら急に倒れて…ってエミさんに聞いたんやけど」

「あー、急に頭痛くなって……でも今は大丈夫ですよ。ほら」

そう言ってショッピが立って見せると、二人は安堵の表情を浮べた。

「まあ、次は何かあったら早めに言って下さいね」

「善処します。…そういえば、寝てる時になんか変な夢?を見たんですけど」

「…例の悪夢か?」

顔を顰めるチーノと悪夢?と疑問符を浮べるエーミールに、ショッピは頭の隅で要点をまとめながら説明を始めた。

新たに→←異変



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (45 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
53人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - ただの黒砂糖さん» おめでとうございます!! (2020年7月18日 23時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 10000hit………え??うせやろ??? (2020年7月18日 23時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 楼さん» ちょっとヒント与えすぎたかなHA☆HA☆HA……コメントありがとうございます(賢者タイム) (2020年7月18日 23時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - sn君よ…君が鬼なったこともお兄ちゃんが誰なのかも丸わかりだ (2020年7月18日 20時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 114514さん» 読まれていた…だと……!?あ、コメントありがとうございます。 (2020年7月3日 18時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ただの黒砂糖 | 作成日時:2020年4月19日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。