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『ちっちゃくて、こげ茶の猫っ毛の可愛い子』


たったそれだけの情報で見つけ出せるのか、

そんな疑問が胸の内を占めていたが、

アイツの言った通り、見たらわかった。



なるほど、ちっちゃくて可愛いねぇ。



ドスッ、とそいつの前に座る。


その瞬間、チクチクとした視線が前方から突き刺さる。


しかし、それはいつも向けられている悪口や嘲笑いといった表情ではなく、

怯え、恐怖といった表情だった。



それでも痛えもんは痛え。


思わず舌打ちが出る。


その瞬間に更に鋭く刺さる視線。


「チッ、梓の野郎。

あとでぜってぇ締める。」


思わず出たその言葉。

なにが後輩になにかあるかもしれない、だ。

ピンピンしてんぞ、こいつ。


そう思いながら、足を組み直し、

肩肘をテーブルにつき、目の前の奴を見る。


すると、さっきまで痛かった視線が突然柔らかくなった。


「シュモクザメさん!

梓先輩のおともだちなの!!?」



「あぁ??!

誰がシュモクザメだ!!」



「なぁーんだ、梓先輩のおともだちなら先に言ってくれればいいのに!

緊張して損したぁ。」


本当に緊張が解けたのか、ズズズー、と呑気にジュースをすする。

視線もさっきとは一転して、柔らかいものに変わった。


変なやつ、驚きと少しの好奇を織り交ぜて目の前に座っているソイツを見る。


「どうしたんですか?」



「お前、警戒解くの早くねぇか?」



「そうですかね?

だってシュモクザメさん梓先輩と仲良いんでしょ?

梓先輩のおともだちに悪い人はいませんから!」


ほんと、変わったやつだ。

俺はそーかよ、と返事をし、

視線を明後日の方向へ投げかけた。



.

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水素(プロフ) - 更新楽しみにしてます。 (2020年9月23日 20時) (レス) id: d2414812d0 (このIDを非表示/違反報告)
沙彩 - 最新楽しみにしてます!頑張ってください(´∀`) (2020年6月8日 17時) (レス) id: 3372d0e357 (このIDを非表示/違反報告)
かるー(プロフ) - 面白い!好きです!!更新頑張って下さい!!! (2020年6月2日 21時) (レス) id: b9d1ef6d80 (このIDを非表示/違反報告)
青い夕日 - 米屋どうした。よし、採用って・・・。(震え)コテンの威力! (2020年6月1日 19時) (レス) id: e84367e7a0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おべ | 作成日時:2020年5月26日 20時

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