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影浦視点
prrrrr prrrrr
「................ぁ?」
ふわふわしていた意識を覚醒させる無機質な音。
どうやら、隊室のソファーで寝ていたらしい。
スマホのスクリーンを確認するのも面倒くさく感じ、
誰かを知る間も無く電話に出る。
「はい。」
「あ、カゲ?」
聞き慣れた柔らかい声に、意識が先ほどよりもはっきり浮かび上がる。
「梓か。」
「そうそう。」
体を起こし、クァーと欠伸をする。
「寝起きで悪いんだけど、ちょっとお願いがあって。」
「んだよ。」
「今、本部内にいるでしょ?
今すぐラウンジに行ってほしいの。」
梓の声からはすこし焦りや戸惑いといった感情が見受けられる。
珍しい。
いつもは、飄々としていて、どこか掴みどころのないのが特徴のコイツなのに。
「別にいいけど、なにかあったのか?」
「わたしはなんにもないけど、後輩になにかあるかもしれないから。」
「後輩?」
「そう。
上ノ瀬Aっていう子。
ちっちゃくて、こげ茶の猫っ毛の可愛い子。」
行ったらわかると思うから!
そういってブチッと切られた通話。
「情報少なすぎんだろ、おい。」
やることもなければ、先約もない。
どうせ暇だから、そんな軽い気持ちで隊室を出た。
ラウンジで見つけた上ノ瀬Aという女は、
少し、いや、
かなり変わった奴だった。
.
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水素(プロフ) - 更新楽しみにしてます。 (2020年9月23日 20時) (レス) id: d2414812d0 (このIDを非表示/違反報告)
沙彩 - 最新楽しみにしてます!頑張ってください(´∀`) (2020年6月8日 17時) (レス) id: 3372d0e357 (このIDを非表示/違反報告)
かるー(プロフ) - 面白い!好きです!!更新頑張って下さい!!! (2020年6月2日 21時) (レス) id: b9d1ef6d80 (このIDを非表示/違反報告)
青い夕日 - 米屋どうした。よし、採用って・・・。(震え)コテンの威力! (2020年6月1日 19時) (レス) id: e84367e7a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おべ | 作成日時:2020年5月26日 20時