14話 合宿前夜の電話 ページ14
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それから色々あったが、何だかんだ約二週間はあっという間に過ぎ去った。その間の期間は何をしていたのかと疑問に思うかもしれないが、大して重要でもないので割愛する。
今日は、金曜日。つまり合宿前日だ。
当然午前中は通常通り授業を受け、午後は部活を行った。しかし、たった三日と言えど家を離れる訳だから、準備をしなければならない。ということで、今日は早めに部活を切り上げ、各自再度持ち物確認をすることになった。
基本、着替えなどの衣類と衛生用品、その他部活で必要な物以外持っていく物はない。私の場合は、だ。他が何を持参するか知らないが、そこら辺は緩いので多少不要物を持ち込んでも怒られることはまずなかった。
去年なんかの例を挙げてみると、トランプなどが一番無難だろうか。ある程度大人数でも出来るし、何より退屈しない。
最も、マネージャーは主に部員達のサポートのため、思った以上に忙しい気はするが。
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夜。
唐突に桃井から電話が掛かってきた。
「……もしもし」
『もしもし、Aちゃん?』
桃井の声は、若干弾んでいるようにも聞こえる。何か良いことでもあったのだろうか。
「どうしたの、さつき。電話なんてそんなに掛けて来ないのに」
『んーと、実はね私、今さっき思い出したことがあるんだけど……』
「何?」
何も言っていないのに、無駄に溜めて時間を稼ぐ。何か言うなら早くして欲しい。
「……私早く寝たいんだけど。明日早いし」
『ごめんね!えっと、合宿って毎回バスを用意してくれるじゃん?』
「そうだけど、それが何?」
『バスの席順って、決めてないよね?』
「……まさかそれについて話すためだけに電話してきたの?」
割と、いや結構どうでも良い用件だった。それなら普通に学校で話題を振れば良かったのにと思う。今更電話で話すことでもない。
『それだけって、大事なことじゃない?結構。女の子三人だし、乗り方によっては一人余っちゃうし』
「まあ……。でも、さすがに男女隣同士はあり得ないからね。さつきが誰かと乗りたいとか思っているようなら」
敢えて釘を刺すようなことを言ってみる。案の定、桃井は大袈裟に『ええっ』と驚いていた。
『別に、私はそんなこと思ってないよ!ただ、私達が一緒に乗ると、愛莉ちゃんが余っちゃうでしょ?それで色々揉めても嫌だし、私なりに平等な解決方法を考えたの!』
「へえ、どんな?」
『えっとね……』
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翡翠(プロフ) - 七奈那さん» コメントありがとうございます!返信が遅くなってしまい本当にごめんなさい!面白いといって頂けてとても嬉しいです。最近忙しくて全く更新できていませんが、早く続きを作るようがんばります! (2020年3月4日 0時) (レス) id: c98d4fab9f (このIDを非表示/違反報告)
七奈那(プロフ) - いいお話ですね。とても面白いです。早く続きが読みたいです!応援してます。完結するのが楽しみです (2020年2月11日 17時) (レス) id: 98ad0ce5fe (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 花音さん» コメントありがとうございます。この作品を読んでもらえてとても嬉しいです!最近更新できていなくて本当にごめんなさい。私も完結させたいので、また近いうちに更新できるよう頑張ります。引き続きよろしくお願いします。 (2019年11月6日 22時) (レス) id: c98d4fab9f (このIDを非表示/違反報告)
花音 - 作品読ませて頂きました。凄く面白いですね。もう更新なさらないのですか?できれば完結させて欲しいです。待ってます (2019年11月6日 21時) (レス) id: ac5c9fd8b6 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 黛夕那(#・∀・#)さん» コメントありがとうございます!読んでもらえてとても嬉しいです!なるべく早く更新できるように頑張りますね! (2019年9月1日 11時) (レス) id: c98d4fab9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翡翠 | 作成日時:2018年12月23日 16時