32話 キセキの世代 ページ33
「……そう言えば、Aにはまだ紹介していなかったね」
赤司が思い出したように言った。桃井もそれに同調しながら頷く。
「そうだね。同じクラスだけど、来たばかりだし知らないよね」
「紹介するから、Aはこっちにおいで」
赤司に手招きされたが、嫌と言う代わりに首をもげるかと思うくらい全力で横に振った。彼を含め他の人達が少し困ったような表情をする中で、桃井だけはぐいぐいと私の背中を押してきた。
「大丈夫だよ。ほら、皆優しい？し、面白いし。ちょっと紹介するだけだから、ね？」
「い、嫌。こんな大勢の前なんて絶対無理！」
私達が葛藤している合間にも、部員と言う名のギャラリーはどんどん増えていく。何せここは、彼等が使用する体育館。練習を妨害しているのは間違いなく私なのだが、どうしたら注目されないか誰か教えて欲しい。
桃井に無理矢理押されて前に出ると、目の前に例の彼等がこちらを見下ろすようにして立っていた。
「ふ……」
何故私は今怯えているのだろうか。衝撃的過ぎて声も出ない。すると、背の高い集団の中の一人、青髪の少し目付きが鋭い少年がこちらをまじまじと見つめて言った。
「……なんか、初めて見た時も小さいと思ったけど、近くで見ると更にチビだな」
まるで、雷を打たれたような衝撃だった。
その一言で、何とか挫けまいとしていたメンタルを全て破壊され、私は半泣き状態で赤司の後ろに回った。彼は一瞬驚いたように私を見たが、すぐにその問題発言をした少年の方を向く。
「青峰、いきなり何てことを言うんだ。可哀想だろう」
「そうだよ青峰君！Aちゃんだって身長気にしているかもしれないんだから」
「わ、わかった、俺が悪かったよ。急に二人して怒るなよな」
赤司と桃井に両側から詰め寄られ、青峰と呼ばれた少年は慌てて前言撤回した。
「全く……青峰、お前は普段からもう少し物事を考えて喋るのだよ」
「あはは、青峰っちの神経の図太さは誰にも負けないっスね」
「黄瀬ちん、それ誉めてんの？」
「多分誉めていないですよ、紫原君」
赤司は、私の方を見て「すまないな」と若干申し訳なさそうに言ってきた。私は慌てて首を横に振る。赤司が謝ることではないのだ。
「紹介しよう。帝光バスケ部だ」
この時、私は『キセキの世代』と呼ばれる彼等全員と初めて対面した。
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翡翠(プロフ) - モトコさん» ありがとうございます。がんばって更新します！ (2018年11月3日 23時) (
レス) id: c98d4fab9f (このIDを非表示/違反報告)
モトコ(プロフ) - 続きが気になります。更新頑張ってください！ (2018年11月3日 23時) (レス) id: e294c9830f (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - ゆっくりノワールクローンNo.1さん» ありがとうございます！これからももっと面白くしていきたいと思います！頑張りますね！ (2018年8月14日 23時) (レス) id: c98d4fab9f (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくりノワールクローンNo.1(プロフ) - ものっそい好みの作品です！！夢主ちゃん世間知らずで可愛いし間接キス知らないとかもう悶えちゃいます！！これからも更新頑張ってください！！ (2018年8月14日 20時) (レス) id: a2e5a81f28 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 彩香さん» ありがとうございます(*≧∀≦*)!!がんばりますね！ (2018年8月1日 9時) (レス) id: c98d4fab9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 | 作成日時：2018年7月12日 19時
