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28話 羞恥心が募る ページ29




色々あったが昼食を食べ終え、現在桃井と二人で教室に向かっている最中である。赤司は職員室に用があるらしく、私達とは中庭で別れた。

「……にしても、二人して間接キス知らないとかある?中学生にもなって?」

「な、なんかごめんね。さつきちゃん」

桃井はあれ以降、仕切りに首を傾げては独り言のようにあれこれ呟いていた。嫌なことをしてしまったのかと思い、とりあえず謝る。

「あっ、別にAちゃんに怒ってるとかじゃないからね。大丈夫」

桃井は慌てたように笑顔を作った。私は、先程からずっと疑問に思っていたことをもう一度聞く。

「間接キスって何なの?」

「え……」

その瞬間、自然と桃井の笑顔がかなりひきつったものになった。

「……あのね、Aちゃん」

周囲に誰もいないことを確認した後、桃井は私の方に顔を近付けてこそこそと話し出した。

「いい?……間接キスっていうのは、一回誰かが口をつけたものに、別の人がまた口をつけることだよ。今回だと、Aちゃんの食べかけを赤司君が食べたのがそれ!」

「……あ、そのこと?」

「へ、それだけ?」

桃井は、心底驚いたような顔で私を見てきた。しかし私にしてみれば、そんなことを気にする方が変なものだ。

「間接キスが何かを知って、第一声が『あ、そのこと?』って……しかも相手は赤司君だよ?」

「相手が赤司君だと何か違うの?」

「いや、そう言うことじゃないけど……」

「私なら平気だよ。家でいつも凌兄やあーちゃん達とおかず交換したりしてるもん」

「家族と赤の他人は違うの!」

桃井は手で顔を覆った。その頬は何処となく赤く染まっているようにも見える。

「……何でだろう。私全く関係ないのに物凄い恥ずかしい」

それに、と桃井が小さく言った。

「Aちゃんは平気でも、赤司君はどう思うんだろう」

「……じゃあ聞く?」

「うん、ちょっと気になる……って、え?」



教室へ戻ったら、赤司の姿を見つけた。私がそのまま声を掛けようとしたら、教室に入る一歩手前で全力で止められた。

「お願い、絶対に誰にも話さないで!」

「……は、はい」

この時、初めて桃井が怖いと感じた。すぐに元の優しい表情に戻ったが、当分忘れることはないだろう。

「下手なこと言ったら、なんか赤司君に怒られそうなんだよなあ……」

「え?」

「な、何でもないよ!」

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翡翠(プロフ) - モトコさん» ありがとうございます。がんばって更新します! (2018年11月3日 23時) (レス) id: c98d4fab9f (このIDを非表示/違反報告)
モトコ(プロフ) - 続きが気になります。更新頑張ってください! (2018年11月3日 23時) (レス) id: e294c9830f (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - ゆっくりノワールクローンNo.1さん» ありがとうございます!これからももっと面白くしていきたいと思います!頑張りますね! (2018年8月14日 23時) (レス) id: c98d4fab9f (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくりノワールクローンNo.1(プロフ) - ものっそい好みの作品です!!夢主ちゃん世間知らずで可愛いし間接キス知らないとかもう悶えちゃいます!!これからも更新頑張ってください!! (2018年8月14日 20時) (レス) id: a2e5a81f28 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 彩香さん» ありがとうございます(*≧∀≦*)!!がんばりますね! (2018年8月1日 9時) (レス) id: c98d4fab9f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翡翠 | 作成日時:2018年7月12日 19時

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