222話 ページ44
暗黒大陸の南部にある大きな谷、『大峡谷』。
何も光を遮る物はないというのにも関わらず何故かそこには光が通らず、崖の下に広がるのは漆黒の闇だけだった。
「やあ、待っていたよ、A」
私がここに訪れることがわかっていたかのようにそこへ待ち伏せていたのは、通称さすらいのマギ────ユナンだった。
「ユナン……私が来ること分かってたの？」
大峡谷の
それが何故だか今は崖の上で私ににこやかに手を振っていた。
「もちろん。君のことはずっと見てたよ」
「えっ、こわい」
「酷いなぁ。君ってば、記憶取り戻してからも全然会いに来てくれないんだもん」
むう、と口元を膨らませるユナン。
「ユナンなら、何かあれば魔法か何かで伝えてくれるかと思って」
「そんなっ、僕とは用事が無いと会わないの？」
「べ、別にそういうわけじゃ……」
あれ、なんだかユナンが面倒くさい彼女みたいになってる！？
なかなか暗黒大陸に赴く人がいないから寂しかったのかな？
「もういいよ。最近はモルジアナが来たから寂しくなかったもん」
「ああそうだモルジアナ！！」
明らかに拗ねた口調で言ったユナンの口から出た仲間の言葉に私は反応する。
「そうだよ、君が僕のこと紹介したんでしょう？」
「うん……モルジアナ……『向こう岸』に行っちゃった？」
モルジアナの同胞であるファナリスが存在する暗黒大陸の『向こう岸』。そこへ行けばファナリスの仲間には会えるが、その代わりこちらには戻って来ることは難しくなる。
モルジアナにとって何が良いのか分からなかったから選択肢を与えたのだが、彼女はどちらの道を選んだのだろうか。
もし、『向こう岸』に行っていたら……寂しいなあ。
「おいで。見に行こう」
ぐいっ、とユナンに手を引かれた。その先は大峡谷の崖で、ユナンは躊躇せずその崖へ足を前に踏み出す。
それに道連れになった私は、重力のまま真っ逆さまに急降下したのだった。
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中学生なのに暇人 - 鎬さん» こちらこそ読んでいただいて嬉しいです！コメありがとうございますがんばりますね！（ ; ; ） (2019年12月30日 0時) (
レス) id: 3eebcb6e18 (このIDを非表示/違反報告)
鎬 - マギ はアニメも漫画も見ていたのでこんなに面白い作品が読めて嬉しいです更新頑張ってください！！ (2019年12月21日 23時) (レス) id: b3f6bf7af3 (このIDを非表示/違反報告)
中学生なのに暇人 - 蓮さん» ありがとうございます（ ; ; ） (2019年12月19日 23時) (レス) id: 2882797249 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - 好き (2019年12月12日 23時) (レス) id: 5ce3a7aa8e (このIDを非表示/違反報告)
中学生なのに暇人 - 氷空音さん» わわ！嬉しいです！読んでいただいてありがとうございます（ ; ; ）更新は不定期になってしまいますが頑張りますね！ (2019年12月1日 23時) (レス) id: 2882797249 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中学生なのに暇人 | 作成日時：2019年10月8日 21時
