194話 ページ11
さて、アリババの話になるのだが。
彼はシンドバッドに『魔装』を教わる修行をしており、シンドリアに残ったと私たちは思っている──────と、アリババは思っている。
近頃口を聞いてなかったせいもあり、アリババは一緒に行くと言い出すタイミングを逃してしまったのだろう。
私達がそれを知ったのはついさっき。アリババが見送りに来ないと話をしていると、シンドバッドが教えてくれたのだ。
「あっ、そういえば、正直あの人のことをどう思っているんですか？」
「あの人？って誰だい？」
「そりゃあもちろん、アリババ殿のことですよ！」
当のアリババは、隣の部屋で聞き耳を立ててこれを聞いているはずだった。
それを理解した上で、私達は彼を少し驚かそうと簡単な計画を企てたのだ。アリババが私達に何も言わずに船に乗ったことへのちょっとした意地悪である。
「ああ……アリババくん、ねぇ……」
アラジンはとてつもなく微妙な反応をした。
「アラジン殿は、正直かなりのアリババ殿のびいきでしたよね？」
「そうかなぁ？でも、こう長く付き合ってみると、色々と、見えてくるものもあるというか……」
「と、いうと？」
「アリババくんはねぇ、なんていうか…………モテないんだ」
相棒にこんなこと言われるなんて酷すぎる。アリババどんな反応してるかなぁ。
「だからかもしれないけど、僕がAさんや、きれいなおねいさんと仲良くしていると、いつも物欲しげな目でこちらをじっと見ているんだ……恨みがましそうに……指をくわえて……」
「それはモテないですねぇ〜……」
勝手に当人がいないところでモテないと言われているアリババの気持ちを考えるとなんて不憫なんだろう……心が痛む……ちょっとだけね！！
「そういえば、私もアリババの変な行動を見たことがあるよ。私が部屋に行くと一人、ごそごそと下半身をあらわにして、扉が開くのを待ち構えてたの……」
「許せませんよ！！A殿にそんなことをするなんて最低のハレンチ野郎ですよ！！」
「アリババくんにそんな趣味が……」
「それは酷いです」
激昂する白龍、わなわなと震えるアラジン、冷たく言い放つモルジアナ。
え、白龍リアクション良すぎじゃない？演技派か？？
そろそろ頃合いかと思い、私達は話を一旦中断して、隣の部屋をこっそりと見る。
「う、うう……あいつら、俺のことをそんな風に思って……！」
アリババは号泣しながら呻いていた。
……やりすぎたかな？
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中学生なのに暇人 - 鎬さん» こちらこそ読んでいただいて嬉しいです！コメありがとうございますがんばりますね！（ ; ; ） (2019年12月30日 0時) (
レス) id: 3eebcb6e18 (このIDを非表示/違反報告)
鎬 - マギ はアニメも漫画も見ていたのでこんなに面白い作品が読めて嬉しいです更新頑張ってください！！ (2019年12月21日 23時) (レス) id: b3f6bf7af3 (このIDを非表示/違反報告)
中学生なのに暇人 - 蓮さん» ありがとうございます（ ; ; ） (2019年12月19日 23時) (レス) id: 2882797249 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - 好き (2019年12月12日 23時) (レス) id: 5ce3a7aa8e (このIDを非表示/違反報告)
中学生なのに暇人 - 氷空音さん» わわ！嬉しいです！読んでいただいてありがとうございます（ ; ; ）更新は不定期になってしまいますが頑張りますね！ (2019年12月1日 23時) (レス) id: 2882797249 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中学生なのに暇人 | 作成日時：2019年10月8日 21時
