6話【しその香りに包まれて朝】 ページ7
玉狛支部の裏側には、小さなスペースを作らせてもらっている。
そこには天日干し終了間近の梅干し達が並んでいた。
対策もしているので当然だが、どの梅干し達も川には落ちていないようだ。
雷神丸の被害もない。
その梅干しを3つ箸でつまんで皿に乗せた。
「よかった。3人揃ってるね」
「あっ……什得さん」
ちょうど3人が集まっているところだった。ラッキー
「とえ先輩、それは何だ?」
と、遊真が私の持っている梅干しに興味を示す。
「あぁ、これは梅干し。運動した後にいいって言われてるやつね。 自家製だよ」
「えっ、これ什得先輩が作ってるんですか!?」
「うん、裏に干してあるよ。よければどーぞ」
「い、いただきます」
彼らは梅干しに刺さった爪楊枝を手に取り、梅干しを口に含んだ。
どうやら不味くはないようだ。たまたま甘口にしていたので、酸っぱすぎるということはないだろう。
それから私は疲れからか眠たくなり、しその香りのする自室で予定表を見て、それから寝ることにした。が、問題発生だ。
明日の昼から3人の入隊日まで、三門市に居られないようだ。
事前申請していたはずなのになぜ忘れていたのだろうか。
明日から実家に帰省する予定だったのを忘れていた。
いや、最悪ビデオ通話機能は使えるから遠くからアドバイスぐらいはできるだろう。
私はモヤモヤしながら、しその香りに包まれながら眠った。
「おはようございます〜……ふふぁ……って、
……こりゃあ、みんな訓練室だ」
また置いていかれたのだろうか。
これじゃあ、太刀川隊の唯我とか言うやつみたいじゃないか。
私は使える方だ、それに置いていかれたのは私の睡眠とタイミングが合わないだけ。
私は実家に持っていくものもないので、ほぼ手ぶらだ。
とりあえず、今いる人達に声をかけてから電車に乗った。まぁまぁ遠いところなので、暇つぶしに読書をしよう。
「あ、梅干し持ってきた方がよかったかな」
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名無しのしらゆき(プロフ) - 友人に編集を任されました。 奴は話を考えるだけなのと、基本シャイなので私が代わりに返信などを打ち込みます。 奴が返信した際は遠慮なく褒め潰してやってください。よろしくおねがいします。 (2021年2月15日 23時) (レス) id: 9ad50e2ee7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宗 x他1人 | 作成日時:2021年2月15日 23時