1話 ページ2
｢おい見ろよ、あいつネイバー擁護してるらしいぞ｣
｢まじかよ！ もしかしてあいつもネイバーなんじゃねぇの？｣
｢ネイバーにもなにか事情があるのかもしれない！だとか抜かしてんだよ｣
｢ボーダー辞めろよ……｣
｢ほんとに辞めて欲しい……｣
ランク戦ブースでひそひそと噂される少女。
ボーダー本部所属の什得 羽。
彼女は当時、B級への昇格1歩手前というところだった。
B級に上がるべくランク戦ブースに来たのだが……。
｢……｣
Ｃ級の多いブースでは、彼らの格好の的だった。
周りは彼女を異端の目で見ている。
それもそうかと彼女は諦めていたので、今日も今日とてランク戦。
あわよくば、というよりか手前まで来ているので、多分今日で昇格できるだろう。
｢よし、B級昇格。切磋琢磨して、街を脅かすネイバー倒そう｣
私がそう呟いた時だった。
｢なにがネイバー倒そうだ！ お前はネイバーを庇うひとでなしだろうが！｣
｢そーだそーだ！ ボーダーなんか辞めちまえ！｣
1人、見知らぬ気の強そうな男の子達が私への罵声を響かせた。
｢うるさい！ なら貴方達がネイバー全員倒しなさいよ！ B級昇格の見込みのない奴に言われたくない！｣
柄にもなく大声で抗議した。
その怒号は、この広い部屋に響き渡った。
私は頭を冷やす為に、外へ出ることにした。
｢……なんであんな大声出しちゃったんだろう。流石に不謹慎だったよね｣
でも謝るのは癪だ。
顔も覚えていないし、別に良いだろう。
私は忘れることにした。
後日、私は本部から呼び出しを食らうのだが……
その事はまだ知らない。
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作者名：宗 x他1人 | 作成日時：2021年2月15日 23時
