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美馬「その評価は正確ではないですね」
御幸を警戒する佐々木監督の意見を正確ではないと言い切ったのは
父がこのチームの外部コーチである美馬
こうして監督相手に物怖じしないあたり度胸のある選手なのか
美馬「なぜなら甲子園でうちに当たらなかったから」
それともこのチームには負けないという
大きな自信があるのかその両方か
佐々木「今の野球は情報戦、相手の特徴を頭に入れずに戦うチームは少ないだろう」
佐々木「うちのチームの足を意識してくれればくれるほど
こちらの思惑通り試合のペースを握ってるようなものだ」
"世代ナンバーワン捕手"
その実力が本物か偽物か
白龍の超機動力野球で見定められる
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試合前日の夜
宿泊先のとある一室に栄純、御幸、ナベ、由井の4人が集まっていた
どうやら白龍との試合に向けて相手の動きなどを確認しているようだ。
栄純「うわっ、ここで走ってくるんだ…暴走じゃないんすか?」
渡辺「暴走ギリギリ、この判断が他のチームより抜きん出ているから恐れられてるんだ」
機動力の高さが自慢の白龍
何も対策しないで勝負なんてしたらあっという間に結果が出てしまう
御幸「お前さ、明日の先発の意味わかってる?」
さらにゴールデンウィーク中の練習試合の相手の中で1番強いのがこのチームで
先発を任されたピッチャーが栄純
大事な試合の先発に任されること自体栄純に対する監督の期待の表れ。
栄純「期待……」
栄純「じゃあこの試合で俺がいいピッチングしたらエースになれるんですか」
その言葉を聞いて思い出したのはあの時監督が発した言葉
─すまん、お前に助けられた
─よく抑えてくれた
もし本当に期待されているのなら
こんな言葉はかけられなかったんじゃないか、そう思わずにはいられない
御幸「そんな単純な話じゃねぇよ、お前だってわかって言ってるんだ」
御幸「日本一を目指す俺たちにとって、安定感のあるピッチャーが増えることはこれ以上なく心強い」
明日の試合で活躍したらエースになれるのか
そんな単純なことではなれないことくらいずっと前から理解しているのに
いつもどこか引っかかる
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作者名:ちあき | 作成日時:2020年10月26日 10時