【◇】群青と晴夏 3 (ページ2)

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A｢あ｣

栄純｢お｣

練習終わりなのかバットを片手に持った栄純と

眠そうに目を擦っていたAが遭遇した

厳密に言うと一緒に練習してた降谷と御幸にも会った。

A｢練習終わり？｣

栄純｢おう、御幸先輩のお誘い！｣

A｢ふーん…へー、御幸先輩のねぇ｣

御幸｢なんだその顔、別におかしいことなんもねぇだろ？｣

A｢珍しいなって思っただけ｣

いつもは大体栄純と降谷に

球を受けてください！！と頼まれて練習することを知っているAからすれば

御幸から誘って一緒にバットの素振り練習をしに行ったことが

ちょっとだけ珍しかった。

御幸｢あーごめんな彼氏さんとっちまって｣

A｢は？｣

御幸｢なんか機嫌ナナメじゃん、だから拗ねてるんじゃねぇの？｣

A｢……………………………す、拗ねてない｣

にやにやしながらAの顔をわざわざ屈んで覗き込んでくる御幸

相変わらずAをからかうのが好きらしい

一方Aも嘘をつくのはあまり得意じゃないからか目が泳ぎまくり

これじゃあ御幸に嘘がついてることは完全にバレてしまう

A(まさかついさっきまで夏のこと考えてめそめそしてたなんて言えるか！！)

A(言ったら絶対確実に一也がからかってくるのが目に見えてんのよ！)

拗ねていた、それもあるのだけれど

さっきまで3年生最後の夏という現実を考えて

ほんの少し寂しさに泣きかけていたのもある

別に御幸がいなくなるのが寂しいってわけではない"3年生が"いなくなるのが寂しいのだ。

御幸｢嘘ついてるな？｣

A｢ついてないついてない｣

御幸｢ま、どっちでもいいんだけどちゃんと早く寝ろよ？お前こんなんでも一応女子だし｣

一応というところを強調し

更には最後にもう1回念入りに一応と付け加えた

これには一瞬Aもピタッと動きを止めたが

しばらくしたら生き返った

A｢むっかーー！！何よ一応って！相変わらず3年生になってもそういうところ！｣

御幸｢逆にお前も初めて会った時となんも変わんねぇよ｣

A｢うわうっざ、さっさと寝てください｣

御幸｢はいはい言われなくても寝ますよ｣

いつもやり取りを見て思うことは

どっちもどっちだろ、という感想

AもAだし御幸も御幸

お互い様でなんだかんだ言って仲はいい。