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突き立てたのは、ーー
深夜二時、目は閉じない。
(……眠れない)
隣で寝息を立ててる彼女に目を向ける。
忠告された日から満足に眠れなくなり、最近はよくなるどころか目を瞑ればあの日の光景が浮かび、眠る以前の問題になった。
隣で寝ている彼女を見ていると彼女の髪を梳きたくなって手を彼女の頭に持っていく。
髪を掬い、指の間から掬った髪が砂の様に流れてく。
"お前は、Aの側にはいられない"
動いていた手が止まり、震え出す。
最近この繰り返しなのだ。
まるであの男に呪いを掛けられたかの様に毎日繰り返される。
Aに触れる度奴が出てくる。
それと同時にあの光景さえも、鮮明にーー
お前が抱いてるそれが"ーー"だって気づいてからな。
ーーﾌﾟﾂﾝ
なにかが俺の中で切れた音がした。
「っは、…はぁっ…」
なにか動いたわけではないのに息切れしている。
額から流れてきた汗が、Aの顔に雫の様に落ちていく。
いつの間にか彼女の首を掴んでいた。
掴んでいる手に徐々に力を込めていく。
「最初から、こうしとけばよかった…」
彼女の呻き声に近い声が、聞こえる。
「Aさえいなければ、俺は安心して眠れるのに
人の神経逆撫でするのが上手いAには
分かんないのかな…?」
ぎりぎり、と音が強まり、最初は微かにしか聞こえてこなかった音が今は鮮明に耳に届く。
それ以上は危険だと言う信号の筈だけど、俺には、"あと少し"と流れてくる。
「違う、そうじゃない、…そうじゃない」
絞めてる側の筈なのに、絞められてる様な、
そんな感覚。
違う、違う、そうじゃない。
恐怖と畏怖と俺の中を占めてるのは、
ーーああ、これだ。
「俺から離れてくなんて許さない」
支配欲。
力は緩めることなく、空笑いが溢れた。
その瞬間、
ーー『傲慢』
「っ」
反応がなくなり始めていた彼女から、
そう鮮明に発される。
一言で、視界が開け、力を込めていた手をAの首から離した。
(……え、?)
理解が追いつかない俺と
その間にも言葉を紡ぐA。
『私は駄目なのに、
角名は私から離れていこうとしてるの?』
ーー麻酔のように。
『私が居なくなったら、角名はもっと自分の首を絞めることになるのにね』
ーー催眠のように。
『私がいなきゃ、苦しいでしょう?
眠れないくらい、
首を絞めたくなるくらい』
ーー麻痺してるように。
『"ーー"のなにがいけないの
もっと、もっと、"ーー"すればいい…だから、』
形作られてく。
『一緒に堕ちよう』
これは、" 依存 "だ。
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グリム(プロフ) - ヤバイ、凄く引き込まれる！次の投稿待ってます！ (1月30日 17時) (
レス) @page13 id: 66f712e8a8 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 切ない……切なすぎる…。更新ずっと待ってます‼ (10月15日 20時) (レス) @page13 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
百合(プロフ) - んごおああああああああ(叫び声)めためた切ない(´；ω；｀)次の投稿永遠に待ってます！ (6月18日 19時) (レス) @page13 id: 587110230b (このIDを非表示/違反報告)
めぃ(プロフ) - ほんとに最高です！主人公ちゃんへの感情移入凄すぎてしんどいです…(泣) (2022年7月24日 5時) (レス) id: 1ba6cd66fa (このIDを非表示/違反報告)
みるきーばなな(プロフ) - うはぁぁぁ、切ねぇぇぇ、、、ッッ！読みながら涙腺崩壊しそうになったぞおい、、（涙） (2022年7月15日 8時) (レス) @page13 id: bfe5e9257b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チェスター | 作成日時：2021年7月5日 12時
