嫁いだ先は【波羅夷空却】

嫁ぎ先32 ページ33

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｢思ったより高ぇな...｣



『高いの苦手ですか？』



｢ここまで見えるとちょっとな｣






ここの観覧車には、普通のゴンドラと透明なゴンドラがあり、せっかくだからと透明なのに乗った



空却さんも高いのなら大丈夫っていうから乗ったんだけどな...








｢...悪ぃな。拙僧が乗れないせいで付き合わちまって｣




『いいんですよ。久しぶりにこんなに遊べましたし、楽しかったです』




｢そうかよ｣






ふっと笑う空却さん

夕日と相まって、いつもより幻想的に見える








｢今日は拙僧に合わせちまったし、今度はお前に合わせるぜ。どっか行きたいとことかあるか？｣




『んー、、今は特に...。ナゴヤもあんまり詳しくないですし...』





｢.....じゃあ、イケブクロ行くか｣




『え？』




｢ダチいんだろ？せっかくだから十四と獄も誘って思いっきり遊び行こうぜ｣







気を...使ってくれたのかな...


この前はイケブクロのこと、あんまり話したくなさそうにしてたのに






『...空却さん。無理してませんか？』



｢拙僧がいつ無理したってんだよ｣



『前にイケブクロの話しをしたとき、嫌そうにしてたじゃないですか』



｢...ちょっと喧嘩別れしたやつがいるだけだ。観光する分には支障ねぇよ｣






喧嘩別れ...

そういえば私、空却さんのこと何もしらないんだな...




その友達のことだって、聞いたこと無かったし







『ほんとに、いいんですか？』



｢おう。お前だけダチと遊べねぇなんて理不尽だしな｣




『.....ありがとうございます！』




｢おう。.............ん、ゴミついてんぞ｣




『え？どこですか？』




｢ここだよ｣





そう言って空却さんは目の下ら辺を指さした

どこだろ...それっぽいのないな...





｢取ってやっから、目閉じてろよ｣



『あ、はい』






目を閉じると、空却さんの暖かい手が目の下に触れた


と、同時に、唇に熱い感触を感じた


これってまさか...空却さん...









｢ほら、取れたぞ｣



『.....空却さん、今キスしましたか』



｢ヒャハハ、そんな照れんなっつの。もっかいするか？｣



『このゴンドラ透明なんですよ！下から見えたら...』



｢見えないから安心しろっつの｣







そうしてまた空却さんの唇が私の唇と重なる


嬉しくて振り解けない私も私だけど

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