嫁いだ先は【波羅夷空却】

嫁ぎ先13 ページ14

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『え...？』


｢何回かデートして、拙僧はお前の事気に入った。気に入った奴が苦しそうにしてんのはやなんだよ｣





空却さんがどんどんぼやけて見える

あ.....私泣きそう...




『...っうぅ.......私...』


｢へぇへぇ、いくらでも泣けよ｣




そう言って空却さんは私を優しく抱きしめてくれた

空却さんの服に涙がかかっても、空却さんは何も言わなかった

多分、10分くらい泣き続けてたと思う


子供みたいな泣き声を出す私をただただ抱きしめてくれていた





『っ.....空却さん、たまに優しくなりますね』



｢たまにってなんだよ。拙僧はいつも優しいだろ｣



『あはは...そうですね』






私は空却さんが好きだ

それが人としてなのか、男性としてなのかは分からないけど


でもそんな人から守ってやると言われた



多分、今まで生きてきた中で1番嬉しい





『私、花嫁修業したんで家事は任せてください！』



泣きまくったから鼻声で、ガサガサした声が出た

こんな声普段だったら人前で話すのが恥ずかしいけど、空却さんならいい気がした





｢頼むわ。拙僧は料理とか向いてねぇからな｣


『空却さんの好きな物、いっぱい作ります』


｢おうよ。それより、着物買いに行かなきゃ何じゃねぇの｣


『あ、そうだった...空却さん一緒に来てくれます？』


｢いいぜ。ついでにお前ん家行って、お前の父ちゃんに話に行かねぇとな｣


『空却さんのお父さんにも言わなきゃですね』


｢そうだなぁ。今日は用事っぽいし、また明日にでも来いよ｣


『はい！とびっきりの着物着てきますね』





これからこんな素敵な人と過ごせるなんて

私はなんて幸せ者なんだろう

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