聞いてないけどやるしかない【NARUTO】

成り代わってるし【２】 ページ3

＊


鏡の前で愕然としていると、玄関のさらに向こう、つまりドアの外からガサガサと音がした。




女の子の一人暮らしだから空き巣の格好の的だろう。まずい、と思いつつ構えるが武器もなんにもないんじゃ仕方ない。







武器を探しオロオロとしていると音がなりやみ、人の気配が無くなった。近くにあったフライパンを引っ付かみ、ドアへとそろりと近づく。





ガチャという音をたててドアをゆっくり開けると、外側のドアノブにレジ袋がひとつ、かけられていた。






なんやねん。と思いつつ中身を見てみると、カップラーメンが何個か。それからコンビニのサンドイッチみたいなものがひとつ入っていた。








…どういうこと。これでも食べとけってこと？世話係でもいるんだろうか。きっと火影様に頼まれている人がいるんだろう。それにしても酷い。






たった5歳くらいの女の子に栄養も考えず、生きているかの確認もせずレジ袋を置いていくなんて。







『最低かよ。』







私は一言だけ吐き出すように呟くと、レジ袋を持って部屋に戻った。



ナルトはこんな目にあってもひねくれず、火影を目指していたんだ。私はこの世界の人の冷たさと厳しさを感じた。やばい…生きていけそうにない。








グウッとお腹がなる。そうだ、朝ごはん…。仕方ない。サンドイッチでも食べよう。っとその前に…





『掃除するか。』




私は手始めに足元に転がっているカップラーメンのゴミを手にした。

成り代わってるし【３】→←成り代わってるし【１】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す