4.勝手に見てばかり ページ10
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「あ、ダンゴ試験官さん」
「アンコよ!人の名前間違えるなんて失礼ね」
そうだったごめん、なんて謝りながら床に降ろしてくれた狐さん(暗部らしい)に「ドーモ」とお辞儀する。
そもそもこの人がみたらしだかアンコだか三色だかゴマだか美味しそうな名前してるのが悪いと思う。
私は今お腹が減って気が立ってるんだ。
お菓子あると思ってポケットに手伸ばしたら空っぽだったし。
大方こちらが所持していた大量の菓子を奪って行ったのはネジ達だろうとアタリをつけ、Aは窓の外に広がる森を睨んだ。
…その方向にネジ達がいるとは限らないのだが。
「特に目立った傷はない…大丈夫よね」
「ああ、まだ出会っていないはずだ」
話が見えてこない。
「出会ってないって誰に?」と尋ねれば「犯罪者」とだけ返事が返ってくる。
なんだそりゃ、と肩を落とした。
「アナタ他里の忍に柊ってバレないことを条件に試験参加してるでしょ」
「うん」
「向こうは多分受験者達ほぼ全員の素性を把握している…そこにデータにない忍が現れたらどうなると思う?」
「…え、(何言いたいのか)全く分からん…」
ソファに腰かけるアンコを見下ろしながらそう返せば、「アホ」と軽くデコピンされる。
痛い。
デコピンされてばかりなのでそろそろ額が赤くなってしまいそうだ。
「当然向こうは正体を探ってくる。
それでもし柊Aだとバレてしまえば…」
「…しまえば?」
「下手すりゃ誘拐されてたかもね」
「え!?」
いやまあ、おかしな話じゃない、のか?
思練眼を持つ柊は多分私しか生き残ってないし、利用価値十分あるもんね…
カカシ先生が"ホントに大丈夫か"って何回も確認してきてたのはこういう危険性があるからか。
「…諸々の事情があって試験は中止出来ないわ。
アナタの安全を守る為、とりあえずこの塔にいること」
そう念を押され「了解!」と元気に手を上げる。
「…単純バカ」なんて呟きは無視して、ナルト達同期が試験を突破して来るのを塔で待つことにした。
***
「まず、ネジくん達に会ったらお菓子を回収する。
全部食べられてたら怒る」
「…?」二次試験、わずか一時間半ほどでクリアし各々暇つぶしをしながら他の受験者を待っていた砂の忍。
そのうちの一人、我愛羅は少し離れた場所から聞いたことのある声が耳に入ったのを自覚し、その方向に目を向けた。
「ヒナタに会ったらお疲れってギュッてする。
ナルト達に会えたら……」
「…柊、A…」
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梢(プロフ) - 小柴紬さん» コメントありがとうございます!不定期にはなりますが頑張ります泣 (6月9日 18時) (レス) id: 6e099a7f91 (このIDを非表示/違反報告)
小柴紬 - 梢さん、更新頑張ってください! 面白くてどんどん読み進めてしまいました(笑) (2022年11月9日 19時) (レス) @page11 id: 2e1df96980 (このIDを非表示/違反報告)
梢(プロフ) - ゆらぎさん» コメントありがとうございます。不定期的にはなりますが頑張らせていただきます…! (2022年11月9日 12時) (レス) id: 6e099a7f91 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらぎ(プロフ) - 更新がんばってください! (2022年11月6日 19時) (レス) id: 8914fbacd3 (このIDを非表示/違反報告)
竜 - 成る程!よくわかりました。有り難うございます! (2022年10月26日 17時) (レス) id: 60e267bbe7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梢 | 作成日時:2022年10月14日 15時