4.勝手に見てばかり ページ23
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目が覚めると病室のベッドに寝かされていた。
重い体にムチを打ってなんとか起き上がる。
泣いてから、どれくらい経ったか正確には分からない。
が、ここが試験会場の病室ではなく病院のそれであることから、もう試験は終了したのだろうとAは結論づけた。
皆はどうしているだろうか…特にサスケとヒナタ。
広い病室にぽつんと一人だけ。
病院内は静かだし、なんだか時が止まったかのようだ、なんて窓の外を見つめた。
ぼーっとしているとガラガラ、とドアの開く音がする。
入口の方に視線だけ動かせば、そこには幼馴染の姿があった。
「あ！…サスケじゃん」
「よう」
まだ完全に回復したわけではないらしく、顔色は良くないが口調自体はいつものサスケそのものだ。
ベッドの横に椅子を引っ張ってきて、そこに腰かけたサスケにAは首を傾げた。
「顔見たらすぐ帰っちゃうかと思った」小さく呟くと「話あるからな」と返される。
「え、何」
「…お前、号泣してぶっ倒れたらしいな」
その言葉に分かりやすくうげ、と顔を歪めるA。
「言っとくけどねえ、サスケのせいだから。
泣いたの」
「は？」
なんでオレだよ、と言い返しかけて、目の前の少女がこちらを見ていないことに気付き口を閉ざす。
Aの視線を追って振り返ると、入口の方に日向ネジが立っていた。
…多少の気まずさを感じる。
サスケが意識を失っている間、試験会場では色々あったようだった。
が、Aが泣いてしまったことくらいしかカカシからは聞かされていない。
それに加えて自分はコイツとネジの関係を知らないから、何か言葉を発してサスケから会話を始めることに少なからず抵抗があった。
立ち去った方がいいのか、と思いつつも椅子から立ち上がれないでいたその時。
「…ヒナタ様の為に泣いたんじゃなかったのか？」
意外にも沈黙を破ったのはネジだった。
「何いきなり…ああ、話聞いてたのか」
急に話に割り込んできたと思ったらヒナタのこと口にして、なんだコイツ。
って思ったけどさっきの会話を聞いていたのなら納得がいく。
ヒナタの為に泣いた、っていうか…
あの時サスケとヒナタっていう私にとって特に大事な二人が同時にボロボロに傷付いてて混乱した。
二人との記憶も消えちゃうし、余計に。
だから泣いたのは、ヒナタを追いつめたネジくんと、勝手に傷付いたサスケ、ピアスをくれたあのお面ヤローのせいだ。
あっさり忘れた自分も、勿論悪い。
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梢(プロフ) - 小柴紬さん» コメントありがとうございます！不定期にはなりますが頑張ります泣 (6月9日 18時) (
レス) id: 6e099a7f91 (このIDを非表示/違反報告)
小柴紬 - 梢さん、更新頑張ってください！ 面白くてどんどん読み進めてしまいました（笑） (2022年11月9日 19時) (レス) @page11 id: 2e1df96980 (このIDを非表示/違反報告)
梢(プロフ) - ゆらぎさん» コメントありがとうございます。不定期的にはなりますが頑張らせていただきます…！ (2022年11月9日 12時) (レス) id: 6e099a7f91 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらぎ(プロフ) - 更新がんばってください！ (2022年11月6日 19時) (レス) id: 8914fbacd3 (このIDを非表示/違反報告)
竜 - 成る程!よくわかりました。有り難うございます！ (2022年10月26日 17時) (レス) id: 60e267bbe7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梢 | 作成日時：2022年10月14日 15時
