4.勝手に見てばかり ページ13
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「意外とってなんだコラ…」
先程の言葉が引っかかったのか睨みつけてくる教え子を無視しつつ、「で、お前はなんでここにいるの」とカカシは問う。
「それはね…」なんてAが続きの言葉を言いかけた時、別の誰かがそれを遮った。
「封印の法術まで扱えるようになったなんて…
成長したわね、カカシ」
「…アンタは…」
驚いたように目を丸くするカカシを見て、Aもそちらを見やる。
長髪の忍がいた。
蛇のような目をしている。
「大蛇丸…」
この人は誰だろう、と思っていたら先生が名前を呼んでくれたので助かった。
いや、名前を聞いても分からなかったからやっぱり助かってない。
「誰」
気になったことはすぐ口に出してしまう
射抜くような視線がちょっと、怖いかもしれない。
「フフ…結構有名人だと思ってたんだけど」
「え?すみません…先生の話とかまともに聞かない主義なので」
どう返事するべきかも分からずただ事実を述べれば、「オイ」と先生に小突かれる。
最近頭に攻撃を受けすぎている気がするんだけど、もし私がこれ以上馬鹿になったら皆責任を取ってくれるのだろうか?
そこがちょっと気になる。
「カカシくん…あなたとは久しぶりの再会だけど、悪いわね…
用があるのはその世間知らずな女の子と、後ろに倒れてる男の子なの」
その言葉にカカシは教え子二人を守るような体勢をとって後ずさった。
「何故サスケを付け狙う…!それにAまで…」こちらを見下ろす心配そうな目と自身の目が合って、少しの間視線が交わる。
それがなんだか、Aの気持ちを落ち着かなくさせた。
"付け狙う"、とカカシはそう言った。
つまり以前にもサスケはこの怪しげな忍に出会っているということで、それがいつかと考えると二次試験の間、離れていた五日間というのが妥当だ。
大方狙いは写輪眼、自身にも用があると言ったからついでに思練眼もいただきたいというところだろうか。
落ち着かない…胸の辺りがザワザワする。
自分が狙われているというのも、それを心配され守られるというのも、幼馴染が知らない間に得体の知れない人間にツバをつけられそうになっていたというのも。
なんだか全てが気に食わない。
「(こんなにイライラするのいつぶりだろ)」
こちらを見上げキッと睨んでくるAを、大蛇丸は嘲るように小さく笑った。
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梢(プロフ) - 小柴紬さん» コメントありがとうございます!不定期にはなりますが頑張ります泣 (6月9日 18時) (レス) id: 6e099a7f91 (このIDを非表示/違反報告)
小柴紬 - 梢さん、更新頑張ってください! 面白くてどんどん読み進めてしまいました(笑) (2022年11月9日 19時) (レス) @page11 id: 2e1df96980 (このIDを非表示/違反報告)
梢(プロフ) - ゆらぎさん» コメントありがとうございます。不定期的にはなりますが頑張らせていただきます…! (2022年11月9日 12時) (レス) id: 6e099a7f91 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらぎ(プロフ) - 更新がんばってください! (2022年11月6日 19時) (レス) id: 8914fbacd3 (このIDを非表示/違反報告)
竜 - 成る程!よくわかりました。有り難うございます! (2022年10月26日 17時) (レス) id: 60e267bbe7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梢 | 作成日時:2022年10月14日 15時