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4.勝手に見てばかり ページ11





「え?あ、我愛羅くんだー」


やっほー、なんてニッコリ笑いながら手を振るA。
近付いて来ようとするのを「待て」と制止する我愛羅に彼女は首を傾げた。


「お前…中忍試験は?」
「受けてないよー、だからここに一人でいる」

「…試験官か?」
「そう見える?見えるなら優秀そうってことだよね、嬉しい」


我愛羅が見知らぬ忍と会話を始めたのを目にし、何事かと寄って来る彼の兄と姉。
彼の問わんとすることは察しているはずなのに敢えて答えを教えようとしない姿勢に、段々と弟のまとう雰囲気が重くなるのを感じる。

我愛羅相手に挑発は得策じゃないな…兄のカンクロウはゴクリと唾を飲んだ。
微量だが自身の体にまとわりついている砂に、この少女は気付けているのだろうか?


「オレをイラつかせたいのか…?」
「そんなことないよ。

お話楽しいなって…思って……」


言葉が途中で途切れる。
一瞬のうちに砂は量を増やし、彼女の体をガッチリ捕らえて離さない。


「何これ砂?」


身動きの取れない状況にもがくことすらせず、「砂すげー」と目を輝かせる少女。

「…え、コイツアホ?」「危機感なさすぎないか…」カンクロウとテマリがヒソヒソ話すのを他所に我愛羅はAにスッと片手をかざす。
それを見た二人はあ、いよいよ死ぬなコイツ…と悟ったのだった。


「「(…というか、そんな大口開けてたら砂が…)」」

「モガッ!?」

「「(あーやっぱり)」」


あまりに予想通りの動きをするAに最早呆れて何も言えなくなる二人。
だが次に続く言葉は予想外だった。


「…お、美味しい」


…?




「…は?」


あの我愛羅でさえ困惑した様子でかざした手を下ろし、少し後ずさるのを見て兄と姉は気の毒な気持ちになる。


「こちらの砂の成分は」

「…血……」
「え!?あ、確かにこれで攻撃してるならそういうことにもなるか。
それを美味しいなんて言うのはちょっとまずいよね、やっぱり前言撤回!美味しくないです!」


彼女の体を固めていた砂はいつの間にかサラサラと崩れ落ちていた。
自由を取り戻した得体の知れない少女が恐ろしく感じられて、カンクロウとテマリさえもじりじり後退する。


「え?なんで距離とってんの」

「…お前がやべー奴にしか見えねえからじゃん…」


なんとかカンクロウがそう返せば、残りの二人も首を縦に振る。
「失礼ですねー」なんて笑う少女だったが、突如背後に現れた暗部にゲンコツを落とされその顔から笑顔は消えた。

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(プロフ) - 小柴紬さん» コメントありがとうございます!不定期にはなりますが頑張ります泣 (6月9日 18時) (レス) id: 6e099a7f91 (このIDを非表示/違反報告)
小柴紬 - 梢さん、更新頑張ってください! 面白くてどんどん読み進めてしまいました(笑) (2022年11月9日 19時) (レス) @page11 id: 2e1df96980 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆらぎさん» コメントありがとうございます。不定期的にはなりますが頑張らせていただきます…! (2022年11月9日 12時) (レス) id: 6e099a7f91 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらぎ(プロフ) - 更新がんばってください! (2022年11月6日 19時) (レス) id: 8914fbacd3 (このIDを非表示/違反報告)
- 成る程!よくわかりました。有り難うございます! (2022年10月26日 17時) (レス) id: 60e267bbe7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年10月14日 15時

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