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でも、病内のどこに居ても茜の死を哀しみ涙を流す者が多すぎたから
僕は今にも誰かに…いや…いつものように茜に
すがりついて泣き出し慰めの１つでもかけてもらいたくなった。
だけど、君はもういないと認めてしまったから…
僕は泣けなかった。
茜は、死ぬ直前に「泣かないで」って。
「私の最後のために笑って」そう言っていた。
僕は、あの時本当にちゃんと笑えていたのかな。
病室からは少し離れた場所、人気(ひとけ)の少ない、その場所で僕は考えた。
どうしてだろう…あんなに、堪えていた涙が今になって溢れ出しそうだ。
必死に涙を拭い取ろうとする僕の後ろから…
？「泣きたい時は泣いたっていいんだよ。私もそうだから。」
そう言って現れた君は、泣いていた。
近くで雨の音も聞こえる六月、これが僕と君の初めての出会い。
続く
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