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茜が最後を迎えた病室で僕は何を思ったのか、一歩…

また一歩と歩き出し、茜の傍に寄って冷えきった茜の身体に触れた。

それは、壊れ物にでも触るかのように優しく…

そっと頬(ほお)に触れるだけだった。

それだけの行為だったとしても僕には確かめる必要があったのだ。

茜の身体が…その体温が…まるで『夕焼けが沈み、陽は堕ちて夜が来る』

それと同じように『姉は死んだ。』『もういない。』『受け入れろ』と

僕が僕自身に認めさせるために。

でも、僕がそれを認めてしまった瞬間

急に目の前のそれが…姉の亡骸が怖くもなって…

僕はその場から逃げ出すように走った。

*2*→



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作者名:嶺夜 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2017年2月27日 18時

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