【HQ!!】僕と彼女と心算と。 (ページ6)

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６心算ページ6

体育館の扉を山口と開ける。

また、いつもの香り。山口でさえも顔をしかめてた。

「あぁ！けいくんこんにちはぁー」

『……』

「こんにちは、えっと、美緒？」

「…ねえねえ、けいくん？」

山口を無視して僕に腕を絡ませてくる原田美緒。
コイツが僕のストレスの元凶。
同級生の、これでもマネージャーだ。

仕事もしてない、清水先輩とか谷地さん、あと3年生の松尾先輩に任せっきり。

そんなのに気づかない、先輩とか王様達。

気付いてるのは僕と山口くらい。

訴えようと先輩達に提案したけど、
暴力を受けているらしい、「大丈夫だから」と言われた。

部活も少しは楽しいと思い始めた頃だったのに。
苛立ちしか溜まらない。

昨日だって澤村さんの誘いを断って山口とふたりで帰ってしまった。

原田美緒に会いたくない。
声も聞きたくない。
ましてやあの、臭い香水の匂いを嗅ぎたくない。

清水さんと目が合った。

すぐに逸らされたけど。

谷地さんも、松尾先輩も頑張ってる。

なのに結局僕は何も出来ないまただった。

「…さっき、大地さんが谷地さんに怒ってた」

『……』

「仕事してねって」

『……』

「ねぇ、ツッキー。
僕達このままでいいのかな。」

良いわけがない。だけど何も出来ない。

僕の無力さにまた腹が立って、
山口を置いてネットの準備に取り掛かった。