【HQ!!】僕と彼女と心算と。

２心算 ページ2

入学から割と月日が経って、クラスにも部活にも馴染んで、色んな人の性格が読めた。

入学式では女子という女子、
イケメンというイケメンを、
見渡して何か心の中で企んでた様な女子。

同じクラスになって凄い嫌だったけど、

実は凄いいい人だった。
悪意とかまるで感じさせないくらい。

もし演技だとしたら、今まで保ててすごいと思うけど。


そんなクラスを、僕は新しい席で一望した。


今日は半年に1回の席替え。

窓側の一番後ろ。

窓を開けたら少し寒そうだけど、景色が良い。

当たりくじを引いたと我ながら思う。


そんな僕の唯一の隣の席は、肩くらいまで茶髪を下ろした女の子。

僕の中での第一印象は静か。
そして第二印象は、静かでうるさい。

矛盾してると思うけど、この女子はそういう子だと思う。


いつもは静か。

少しだけ、東京に住んでいたことがあるのがきっかけでクラスの派手な女子に話しかけられても静かに応じる。

でも、いつものメンバー、イツメンという奴と話す時は凄くうるさい。

顔は普通。クラスの中では地味な方。


そんな彼女が僕の隣。
今まで話したことはないけれど。


前も女子。

斜め前も女子。

山口は一番前の通路側。

席は良いけれど話す男子もいないから僕は外を見る。
席替えが終わって自由時間。
雑談してたり、ゲームしてたり、自習してる人もいる。

僕は今日の部活で何をするのか、ぼうっと考えた。


静かに過ごすつもりだった。

話せる相手なんていないから。


そう思っていたのに。


「あ、隣の席ペア学習の時は宜しくね」

『え、？』

「…ほら、私の隣は派手な子だからさ……」


ね？と言って薄暗い目を細めて笑う、
そんな彼女と隣の席。

３心算→←１？？

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