3話 ページ6
クレーはジン団長に呼び出されているようで、しばらくしたら部屋から出ていった。
Aをボクのベットへ運ぶ。
毎日の点検を終えた。
Aは相変わらず深く眠っている。
空に浮かんで居た陽はいつの間にか姿を隠し、月明かりが窓から差し込んでいた。
一筋の月明かりは、A、ただそこだけを照らしていた。
ボクはベットの縁に座り、闇の中から光へ手を伸ばす。
Aの輪郭を撫で、その流れでほんのり赤く染まった頬に手を添える。
何一つ響くことがないこの空間で、ボクの動く音だけが、確かに耳に残った。
身体をAへ寄せ、顔を覗く。
頬に添えていた手を口元へ移し、柔らかな唇を少し押した。
Aは起きようとしない。
邪魔になる横髪を耳に掛け、Aの口の端に小さく一つキスをする。
それでも、瞼が少し震えただけだった。
長く伏せられたまつ毛が月明かりで淡く光る。
もう一度、顔を近づけた。
今度は口に。
一つ軽く啄むようにリップ音を響かせる。
角度を変えてもう一つ。先程より長く、感触を楽しむように。
微睡みから離れようとすると、Aの呼吸が微かに揺れた。
A「ん……ぅ、あれ、アルベド？」
アルベド「おはよう、A。もう夜だけど、ぐっすり寝れたかい？」
A「私、そんなに……ごめん、迷惑かけた？」
アルベド「いいや、大丈夫だ。むしろボクの方が……。この話はもういい。意識はどう？何か違和感は？」
A「少し、言い表しにくいのだけれど、幸せな夢と、絶望の夢を同時に見たというか。」
アルベド「……。そうかい、今日の検査はこれで終わりだ。クレーの相手をしてやってくれないか？」
A「ええ、分かったわ。クレーちゃんと遊ぶのは楽しいから好きよ！アルベドは、何か用事？」
アルベド「騎士団の方で、ちょっと。」
A「そう……気をつけてね。行ってらっしゃい！」
アルベドは身を翻し、部屋から出ていった、、。
私は急に力が抜け、しゃがみこむ。
顔が赤く、火照っているのが自分でも分かった。
アルベドが、私に、キスを……
アルベドの口から漏れた息は、凄く扇情的で、美しかった。
薄く開いた視界から見えたアルベドは、月明かりに照らされ、生命を感じるとともに、どこか無機質な人形のような感じがした。
……しばらくは、顔を合わせられない。
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芋煮(プロフ) - mさん» ふぁっ！？コメント気づかなくてすみません😭ありがとうございます！透明感ある感じを目指したかったので嬉しいです笑 (6月21日 7時) (
レス) id: 59221f80a5 (このIDを非表示/違反報告)
m - 度々コメントすみません。二箇所ほど誤字衍字があると思いますが、笑って許してやってください…。長々と読みにくいコメント、失礼しました。 (6月11日 23時) (レス) @page10 id: 12017230f1 (このIDを非表示/違反報告)
m - コメントコメント失礼します。とっくに完結されていますが、完結おめでとうございます。最後まで、素晴らしく綺麗なお話でした！死ネタ切ない感じが凄く大好きなので、この作品に出会えたこと嬉しく思います。お疲れ様でした。 (6月11日 23時) (レス) @page10 id: 12017230f1 (このIDを非表示/違反報告)
芋煮(プロフ) - 1000hitありがとうございます！良ければコメント下さると作者が喜びます。 (5月14日 16時) (レス) id: 59221f80a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芋煮 | 作成日時：2023年4月12日 0時
