琥珀色に染まって ページ5
沢田綱吉のことを考えすぎて、全く何も頭に入ってこなかった。
そんな感じで入学式は終わった。
お母さんが「いってらっしゃい」と微笑む。
それに私は如何にも無邪気に笑って「いってきます」という。
あぁ、憂鬱だ。
でも、考えてみれば
関わらなければいいだけの話だ。
そう思って席についた矢先、彼はソワソワしていて
引き出しを何度も確認していた。
そして、焦ったような顔つきになり
ついには、その琥珀色の瞳に涙を浮かべていた。
昨日と打って変わっての騒がしい今日、
そんな状態の彼に気づく子供は誰もいない。
すぐにでも泣き出しそうな彼に、私はしょうがなく声をかけた。
今日だけだ、そう思って。
いや、そう願って・・・・・・。
「沢田くん。どうしたの？」
すると彼は勢いよくこっちを向いた。
驚き、焦り、不安。
そんな３つが混ざったような顔をしていた。
「あのっ、あのっ・・・」
どもりながらも、彼にしては懸命に喋っていた。
結果的にいえば、あれだ。
「つまり、筆箱を忘れた。と？」
そう私がいうと、恥ずかしそうに彼は頷いた。
なんだ、そんなことかと思ってしまった私だが、
一年生のはじめ、なにも分からない不安な状態で筆箱を忘れるというのは
小学生にしてはかなり深刻かもしれなかった。
まさに彼らしい過ちだが、それならば人に借りればいい。
「沢田くん。筆箱は貸してあげれないけど鉛筆と・・・」
言いながら私は、新品の消しゴムを半分に割った。
「この消しゴム。よかったら使ってくれて構わないよ」
私が差し出すと、彼はおずおずと手を伸ばし、それを掴んだ。
「ありがとう」
恥ずかしそうに。けれども安否の表情で。
琥珀色の瞳が揺れた。
((ゆらゆら揺れる思い))
((きっとその瞳は魔法だね))
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京夜(プロフ) - ネアレ殿さん» うわーっ！ありがとうございます！今はテスト週間という恐ろしい時期なので、更新が遅れそうですが、終わったら書いていきます！応援ありがとうございます(｀･ω･´) (2016年11月20日 9時) (
レス) id: 4b153081bb (このIDを非表示/違反報告)
ネアレ殿(プロフ) - 新作おめでとうございますヽ(*´∀｀)ノ作品更新無理をしない程度に頑張って下さい(`･ ω･´)ゞﾋﾞｼｯ!!応援してます(*⌒▽⌒*) (2016年11月20日 1時) (レス) id: c0475fe362 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京夜 | 作成日時：2016年11月17日 19時
