沖 田 と 土 方 【沖田総悟】

慣れっこのはず ページ3

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『ちょっと総悟！どこ行くの！』

総 『見廻りでさァ』

『お兄ちゃんが始末書を書くように、と言っていたんだけど？』

総 『……ﾁｯ、死ね土方コノヤロー』




……その、

“死ね土方”

って言うのをやめてくれないかな。



総悟のことだから、



本当にお兄ちゃんのこと、

……殺してしまいそうだし。



なんていうか…



私も“土方”なんだけど…な…。




『…ほら！総悟はペン握る！』

総 『おい触んな、土方菌が移りまさァ』

『土方菌ってなによ！？』

総 『土方の菌でさァ』



……つくづく嫌な奴。


このままギャーギャー言い合っても

話は進まない。


だから、

総悟の隊服から手を離す。



『はい。これで菌は付かないでしょ！』

総 『あぁ、助かりまさァ』

『……じゃあこれ、始末書。』

総 『げ、始末書に菌が付いてやがる』



仕方ないでしょ！！

じゃあ、

どうやって始末書を渡せっていうの！？



『……本当に嫌な奴！！』

総 『同感でさァ』



始末書からも手を離した。

床を目指して、

ヒラヒラと、


数枚の紙が落ちて行く。



“書き終えるまで総悟を監視してくれ”



……お兄ちゃん、ごめんなさい。

私には、無理だ。



総悟の部屋から出て、

厠に向かう。


鏡の中の私は、


眉間に皺が寄って、

唇をギュッと噛んでいた。

…今にも泣き出しそうな顔をしてた



『……どこに菌があるっていうのよ！』



石鹸を使って、

綺麗に隅々まで手を洗う。



……おかしいな。



武州の頃から意地悪されてきて、

もう慣れっこだと思ってたのに、



嫌だ。



なんか、泣いてしまいそうだ。




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