5話 ページ6
「どっすっかな〜」
部活を終えて家路をたどる
辺りは日が落ちかけているのもあり少し薄暗い
通り道には佐々木さんの家がある
寄って行こうかそのままスルーしようか俺は思い悩んでいた。
やっぱりやめておこう。そう思い、隣の公園を横切った
瞬間、女の子の声が聞こえた。
「ちょっと！暴れないでよ！危ないじゃない！」
どうやら公園の中から聞こえてくるようだ。
気になって近づいてみるとそこには
木に登って何かをしている佐々木さんがいた。
「ちょっ、佐々木さん何やってんの！？」
思わず声をかけてしまう。
するとこちらに気付いたのか佐々木さんが振り向いた
二つに結われた長い髪がふわっと靡く
「あんた、昨日の！別に何もしてないわよ！」
「いやその状況で何もしてない方がおかしいって！！」
「だから何でもないってば！早くどっか行ってよね！」
「そんなこと言われましても・・」
よく見ると佐々木さんは何かを抱えているようだ。
黒くて小さな物体・・腕の隙間から小さな尻尾も見える猫？だろうか？
「まさか猫を助けようとして自分が降りれなくなったとかじゃないよね、そんな漫画みたいな展開あるはずないもんな〜」
あははーと乾いた笑い声を上げながらおどけると
佐々木さんは顔を真っ赤にして俯いてしまった。
「まじ！図星かよ！！」
「何か悪い！？私だって好きでやったんじゃないんだから！」
「ブフッ流石にその言い訳はありえないって笑」
「はぁ！？笑ってないでなんとかしなさいよ！」
佐々木さんの必死の弁解につい笑ってしまう。
木の高さは大体4メートルくらいだ。上手く飛び降りれば無傷で地面に着地できるだろう
だがそれは俺の場合である。
佐々木さんのような子が飛び降りればどこか必ず怪我をしてしまうだろう。
「言っとくけど飛び降りとか絶対無理だからね」
佐々木さんが俺の心を読んだかのように答えた。
「え？じゃあずっとそこにいる？」
「なんでそうなるのよ！！もっといい案を考えなさい！」
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作者名：かにかまさん | 作成日時：2024年3月13日 23時
