しっかりして自分っ！！ ページ20
ほのか「うっ…お、重いっ…」
次の日では資料の拡大したものを大量に使うので、運ばなければ…！！
本来ならば、生徒にも手伝ってもらうのだかが、放課後と言っても結構遅いので一人で運ぶしかない。
そう決心した矢先、階段で転ぶ。
ほのか「きゃぁあっ！！」
ﾊﾞﾀﾝ。
階段の踊り場には盛大に資料が散乱している。
…だが、私にはいつまでたっても痛みはこない。
後頭部と腰には暖かみが。
起き上がると…
土籠「ｲﾀﾀ…おい！危ねえだろっ！！」
……土籠先生が。
ほのか「！？！？す、すみません！」
素の土籠先生は正直、ちょっと怖いが…
……今、どういう状況っ！？
えっと…土籠先生の上にいる。
何でっ！？
ほのか「つ、土籠先生！！お、重かったですよね！すみません！よけます！！」
ガバッ！！と体を起こすが…
ほのか「っ…！！」
右足首がっ…！！
痛みで思わず顔をしかめると…
土籠「…どこが痛い？」
切れ長の目の縁にあるまつ毛が一本一本見えるくらい顔が近い。
もう、キャパオーバー寸前だ。
ほのか「っあ、いえ…な、なんでもっ！！」
痛くても耐えて立ち上がる。
が、すぐによろけてしまうが、土籠先生は私を支えてくれた。
土籠「…はぁ。」
ほのか「す、すみません…」
なんだか大きいため息だったのでつい謝ってしまった。
土籠「…ほのか。人に『頼れ』って言ってんのに自分は頼んねぇのはおかしいだろ。」
ほのか「うっ…」
紫色の目がこちらを見据える。
かと思ったら……
急に体が軽くなった。
土籠「ったく、世話の焼ける奴だな。」
土籠先生はあの蜘蛛の姿になった。
だが、先生が私を横抱き…つまりはお姫様だっこをするなんて誰が考えようか。
土籠先生は後ろ脚で国語の資料を集め、私を自分の腕で横抱きにしている状態。
ほのか「ちょ、つ、土籠先生っ！！重いですから降ろしましょっ！？」
少し、身をよじるが…
土籠「コラ。暴れんな。」
怪異と言う点をとっても男の人だからビクとも動かない。
土籠「…よし。じゃあ、このまま保健室行くぞ。」
土籠先生は蜘蛛の姿のまま、歩きだした。
ほのか「え？？後ろ脚出てますけどっ…！？」
思わずツッコミを入れるが…
土籠「…はぁ、おまえなぁ、今何時だと思ってる？」
ほのか「え？？……8時30分っ！？嘘っ！？」
土籠「…今日は俺が宿直になってるからゆっくりしとけ。ほのか。」
ほのか「！？///」
私は土籠先生に横抱きにされながら保健室に向かった。
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作者名：リガロ x他1人 | 作成日時：2019年8月21日 23時
