No.6 伊地知潔高 ページ11
『ほへぇー…またまたすげぇな…』
現在、伊地知潔高はAさんに口の中をまじまじと見られています。
…何が起こってるんでしょう…
私は胃薬を貰いに来ただけで…
あ、でも"親知らず"が痛いことも言ったな、うん。
そこからAさんが来たついでだ、と言って私の口を見始めたのだ。
かれこれ五分は経っているが…
「
『あ、悪い。ただな…』
パッ、と手を離し少し引きつった笑いをしているAさん。
え、何か変な所でもあったのだろうか…??
「えと…何か変な所が…?」
『変っていうかな…まず、お前の親知らずだが…
……奥歯として機能してる。』
「は…??」
それは…いい事なのだろうか…?
医療知識が皆無と言ってもいいほどの私にはサッパリだ。
その様子を汲み取ってAさんは説明する。
『いや、まだ奥歯として機能してるだけなら良かったんだが…親知らずとはまた別の予定外な歯がある。』
つまりは人よりも歯が多すぎする、と簡単に言葉に表されようやく事を理解する。
それでもあんまりハッキリとはわかっておらず聞いてみた。
「それって…人に尻尾が生えたようなものですか?」
『まぁ…それに指が十二本あって背中に翼が生えたレベルだ。』
「」
………私は人間なのでしょうか。
前からAさんに関しては狂人だと思っていたが…
ついに狂人に狂人判定をくらう日が来るとは。
なんとなく笑えない状況下だが、そう生まれてきたものはしょうがないとしか言いようが無い。
呆然としている私にAさんが聞いてきた。
『伊地知、お前時間あるか?』
「?はい…。」
『よし、歯ァ抜くぞ。』
「えっ…アッハイ。」
いきなりの抜歯が予定に入るとは思わなかった。
というよりか、Aさんの圧を含んだ笑顔が怖すぎて思わず返事をしてしまった。
鼻歌を歌いながら準備をするAさんに狂気を感じながら震えて待っていたのは言うまでもない。
____________
『あ、お前もしかして歯医者初めてか?』
「ええ、まぁ…はい。」
『そうか。ならこれでも抱いとけ。』
「く、クマのぬいぐるみ…?」
『たまに来るガキに持たせてんだ。怖くなくなるとか何とかで。』
「………。」
【速報】伊地知潔高(26歳)久しぶりに子供扱いを受ける。
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りゅう(プロフ) - リガロさんこんばんは!こちらの小説拝見致しました!また違ったお話で読んでいて大変楽しいです!夢主もやることは凄いですが時々見せる優しが伝わります! (2021年2月20日 18時) (レス) id: 70aa81165b (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ100%(プロフ) - いいですね!!いい感じに性癖にヒットしました!お気に入り登録と評価失礼します。m(_ _)m (2021年1月6日 12時) (レス) id: 812b1ab43b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リガロ | 作成日時:2021年1月2日 0時