episode.3 ページ3
□家入side
バカが行ってから程なくして伊地知がやってきた。
アイツがいないことに驚きと気まずさを隠せない彼が、あの子はどういたしましょうと言ってきて、私が行くと席を立った。
こちらです、と案内された部屋を開けると、足を止めてしまった。
柚月だ。
柚月がそこにいた。
聞いていた通り六眼で白い髪ではあったが、他は全部彼女譲り。タレ目で、彼女がいつも困っていた癖っ毛。そして右頬にほくろがあって。
けど、一番違う所があった。
それは________________________表情。
目に光が灯ってない。彼女の、花のように笑う笑顔がない。まるで、人形のような無表情。
七海「児童養護施設で、あまり良いとは言えない扱いだったそうです」
隣にいた七海がそう伝える。
単純に、腹が立った。5才だと聞いたけれど、全然そんな歳に見えない。静かで、大きな椅子に微動だにせずちょこんと座っている。
児童養護施設とは、そんな児童を助ける場所だろう。何をしているんだアイツらは。聞いて呆れるな。
自己紹介、出来ますねと七海に言われビクついた様に驚きを見せてから、小さな口が開く。
貴方「やよい、A、5さい、です」
私の顔を伺う彼女。今まで、大人の顔色を伺って生きてきたのか。だが、こんなのは子供のする事じゃない。
私は、この子と目線の高さを揃える。
「初めましてかな、私は家入硝子。君の両親の、高校の同級生だ」
と言っても、この子は両親の事は何も知らないからな。仕方ない。
「伊地知、取り敢えずこの子は私が引き取ろう。施設の手続きなどは任せていいか」
了解いたしました、と聞き彼女の様子を伺った。
5歳児、にしては体が小さすぎる。恐らく栄養失調だ。
体重が軽いから、私でも難なく持ち上げる事ができた。
「さ、行こうか」
さっき連絡して、もうそろそろで夏油が来るはずだ。
外に出ると、バッタリと夏油と会った。もう来ていたのか。
彼は、この子を見た瞬間に目を見張った。
夏油「……………そっくりだな」
「あぁ」
悟は?と聞かれ首を横に振ると、そうか。その一言だけ。
彼の持ってきた車で、高専に向かった。
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ゆな(プロフ) - ケコさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてとっても嬉しいですっ!!こちらこそありがとうございます!! (2022年6月16日 9時) (レス) id: eaaa1b941d (このIDを非表示/違反報告)
ケコ - めっちゃ良い話!!!泣きました!こんな素晴らしい作品をありがとうございます! (2022年6月15日 22時) (レス) @page26 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - 友希那(片想い中だお☆)さん» コメント気づかず3ヶ月も返信してなくてごめんなさいぃぃぃ(><)読んでくださっている読者様がいて私も泣きそうですぅぅぅ!!ありがとうございますっ!! (2022年5月13日 10時) (レス) id: eaaa1b941d (このIDを非表示/違反報告)
友希那(片想い中だお☆) - (;д;)アアアアアアアア 涙が止まらないよぉぉぉぉぉ (2022年2月10日 22時) (レス) @page26 id: 63dcc81372 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな☆(プロフ) - ameyoさん» コメントありがとうございます。嬉しいです!なるほど、私名前変更設定やったこと無くて……あとで挑戦してみようかな😊 (2021年10月5日 8時) (レス) id: eaaa1b941d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆな | 作成日時:2021年8月4日 13時