〇〇しないと出られない血鬼術 肆

伊之助とお風呂【リクエスト】 ページ30

【互いに風呂に入らないと出られない部屋】

がしりとそれはまぁ大きな音を立て伊之助が私の脇に手を入れ抱き上げる。


なんとなく嫌な予感はした。


『い、伊之助…落ち着いて…落ち着いてくれ』

伊之助の目線の先には小さな風呂。


「うぉりゃあぁぁぁぁぁぁぁ！！！」

『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(汚い低い声)』

そのまま風呂に向かって放り投げられる。

もちろん、小さな風呂なのでそこも浅く、勢いよく放り投げられ、勢いよく底に頭をぶつけた。

というか私隊服きたままなんだが。

伊之助はそんな私をつゆ知らず、隊服を着たまま同じ風呂に入ってくる。



ぶつけた頭を押さえながら
伊之助を睨む。

『こぉら！！！伊之助！！！落ち着いてって言ってるでしょ！！！』

びくりと肩を震わせ、伊之助は震えながら

「な、なんだよ！俺が悪いのかよ！

早く血鬼術から出るためにってやったのによ！！」

震えながらも抗議の声を上げる伊之助に怒る気力もなくなりそのまま黙って風呂に浸かる。

もちろん、隊服はそのままだ。


伊之助はそんな私の態度にまだ怒ってる思ったのか私の隊服をそっと引っ張り

「お、怒ってんのか」

と聞いてくる。

いつもは猪突猛進な彼が子犬のように上目遣いでこちらを伺う姿があまりにも愛らしく、


「怒ってないよ」と一言告げる。

その声に安心したのか、伊之助は肩の力をゆっくり抜いていく。


『伊之助さ、風呂入ったことある？』

「馬鹿にしてんのか！！！」

「いやだって、隊服のまんま風呂に入れるんだもん。
入ったことないから風呂には服を脱いで入るって知らないのかなって」

私がそう告げると伊之助は腕を組み胸を張りながら、



「紋次郎が言ってたんだよ！嫁入り前の娘は人前に肌を出すもんじゃないってな！！

お前は一応嫁入り前だからな！俺様なりの気遣いってやつだ」


そんな伊之助の言葉に笑みがこぼれ彼の耳元でそっと呟く



【伊之助のお嫁さんになるから、気にしなくてもいいのに】



おや？ほたるさんに言いたいことがあるみたいです！

「ふははははっ！リクエストありがとよ！


どうだ！俺様と風呂に入った感想は！

って、服は脱いでねーから入ったと言えるのか？

まぁ、いい！んなもん、入籍しちまえばかんけーねーからな！」


リクエストありがとうございます！

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