Orange ball 3【青峰大輝】

８８話 ページ29

それから私は大輝とやり取りするようになった


内容は“おはよう”とか“何してるの？”とか


ほんとにそんな感じ








大体大輝から返ってくるのは


“ねみぃ”“だりぃ”“腹減った”


の３拍子









…あれ？









　







『私これ脈０なのでは？』



柴山「男女の会話の内容じゃないね〜」



『ですよね…！？』









昼休み




３日に1回くらいは乃蒼に内容を報告している






柴山「それで既読無視作戦は実行したの？」


『ううん…会話終わっちゃったら怖いからしてない』


柴山「う〜ん、そっか〜」


『あぁもうだめだ。むり。やだ。あぁぁぁぁ』


柴山「Aってバスケしてる時はかっこいいけど

恋愛してる時は乙女だねぇ〜」


『う、うるさいなぁ』


柴山「まぁ大丈夫だって！」


『…超心配』









　









・



・



・









　









　









結局何も進展のない私たち









遊びに誘おうか、とか思ったけど


もうすぐウィンター予選だし


大輝も遊んでいる暇……


あるな









じゃなくて！




私にはないんだから！









　





今はバスケだ！



大輝にうつつ抜かしてる場合じゃない！









と言い聞かせ


上手くいかない現状から目をそらしているだけだけどね









それから本当に忙しくなって


毎日ハードな練習に返信する気力さえなくしていたころ









　









　




大輝ウィンターの試合前に少し会えるか









　




　









私の既読で終わっていたトークに







2週間ぶりくらいにメッセージが届いた









　









『ウィンターの試合前って…』









　








いやまだいけると決まってないからね？









気が早いのか、わかっていないのか









それとも確信でもあるのか









　









うん。少しなら多分平気









　









うわー…




これでウィンター出れなかったらめっちゃ恥ずかしい奴やん









　








でも









ここで大輝と








そして








萌音ちゃんと









　









ああ









絶対行かなきゃな









　





来年とか、私が3年になってからとか









それでも世間は遅くないというのだろうけど









　







やっぱり今年…









今じゃなきゃダメなんだ









　









このチャンスを逃したら









次はない

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