Orange ball 3【青峰大輝】

７４話 ページ15

「気が付いたか？」







『…か…がみ？』








火神「覚えているか？お前倒れたんだぞ」









え…？









火神「貧血だって言ってたぞ」


『あ、そうなんだ…』








最近夜遅くまで勉強していたからかな…







『…もしかしてここまで運んでくれたり…』


火神「そうだけど…なんかダメだったか？」


『え、うそやだごめんなさい』


火神「なんで謝るんだよ」


『いやだって重たかったでしょ』


火神「めっちゃ軽かったけど」









うん、ごめん


言わせてしまっていて申し訳ない







火神「だ…」


『え？』


火神「あ、いや、なんでもねぇ」


『うん？』


火神「じゃあオレ帰るわ。あんま無理すんなよ」


『ありがとう』









パタン、と静かにドアを閉める火神









『はあああああああああ……』









かんっぜんに寝ぼけた


大輝かと思っちゃった


恥ずかしい


穴があったら入りたい









あああああああああああ









ガチャっ









柴山「よお親友！迎えに来たぞ！」


『乃蒼…元気だね』


柴山「とりあえず数学を教えてくれたまえ」


『…何て？』


柴山「数学教えてくださいお願いします」


『病人に容赦ないなこいつ…』









　








もう、大輝が誰を好きでも



諦めないって決めたじゃん









何も悩むことないよ









　









それに、さつきには好きな人がいるし…









　









・









・









・









　









「くしゅん！」









　









火神「黒子、風邪ひいたんか？」


黒子「わ…急に現れないでください。怒りますよ？」


火神「お前に言われたくねぇよ！」


黒子「そういえばAさんは大丈夫でしたか？」


火神「ああ。さっき目ぇ覚ましたしへーきだろ」


黒子「それはよかったです。にしても火神くん」


火神「あ？」


黒子「顔が赤いですけど、風邪ひきましたか？」


火神「っ、これはあれだ。勉強のし過ぎってやつで…」


黒子「これから監督ん家に行くのに大丈夫ですか？」


火神「それは問題ねぇ」









　








　









　







黒子「もしかして火神くん









　







Aさんと何かありました？」









　







火神「は？！なんもねぇけど！？」









黒子「ならよかったです」


火神「よかったって、なんだよ」


黒子「Aさんはダメですからね？」

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