29話 ページ30
言われてみれば
そうだったかもしれない
『田沼くんとはいたって普通だよ
一緒に帰ったり……してる』
そういえば一緒に帰ることしかしてないかも
私がケータイ無いからラインも電話もできないし
部活があるから土日はほぼ会えないし
田沼くん、こんな私でいいのかな
和田「まあ、Aがそれでいいなら
私は別にいいんだけどね」
それでいい
わけなくて
でも
だって
____しょうがないじゃん
・
・
・
和田「買ってきたよー」
「おー、ありがと!和田達
ベニヤの残ったやつ色塗ってもらっていい?」
和田「おけ〜」
『これで塗ればいいの?』
和田「そうみたいね」
ハケとペンキを持つ
塗りかけの板に丁寧に塗っていく
すでに塗られている上に重ねるから
少し色にむらができてしまう
「あー、碧山、それ全部
黒で塗りつぶしちゃっていいよ」
『わかった』
私は黒いペンキを手に取る
板の目に沿って丁寧に塗る
ピンクで少し塗られていたところも
上から塗りつぶす
黒だから混ざる心配もない
あ、なんか落ち着く
ただひたすらに
何も見えなくなるくらい
隅から隅まで
黒く染めた
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作者名:あっぷるな | 作成日時:2020年4月23日 20時